周囲からの偏見があっても「実家暮らしを続けていく」理由
―先ほど同窓会で『こどおば』と言われたと話していましたが、ほかにも周囲からの気になる反応などはあるのでしょうか。
「会社でコソコソ言われているのは知っています。もう気にしていませんが…悲しいことに、既婚者の方から『実家暮らしは気楽でいいよね』『私たちの苦労も知らないで、羨ましい』なんて言われることが多いです。
たしかに自分の家庭を持ち、育児や仕事、家事を両立することに比べたら楽な暮らしに見えるのは当然だと思います。でもその分私は育児中の方の仕事を積極的に手伝うようにしていますし、独身だからこそできることはどんどん取り組んでいます。
私がいるから会社も助かっている、っていうところあると思うんですよね。それを盾に偉そうにするなんてことはないようにしていますが…。
こどおばという言葉でひとくくりにせず、もっとその人の背景を考え、支えあいながら仕事ができればいいのになとつくづく感じています」
―この先もマミさんは、実家暮らしを続けていきたいと思いますか?
「はい。先ほども話したように、私に一人暮らしの願望がありません。両親を傍で支え、親孝行することにむしろ誇りを持っています。経済的な余裕がないのももちろんですが、これは必要だからこそ続けている実家暮らし。こどおばと呼ばれるのはとても腹が立ちますが、これからも負けずに実家暮らしを続けていきます」
―実家暮らしをしている理由は人それぞれ。その背景も知らずに『こどおば』という言葉でまとめられてしまうのは、たしかに納得いかないなと私も感じました。『こどおば』という言葉が広まるのと同時に、さまざまな理由で実家暮らしをしている人がいるという事実にも、多くの人が気づいてほしいですね。今回はありがとうございました。
「はい、ありがとうございました」
子ども部屋で暮らしている「こどおば」「こどおじ」。ただ実家に甘えて暮らしているだけ…なんてネガティブなイメージを持っている人も多いかもしれません。
しかし、そこには経済的な理由や親の介護など、実家暮らしをするしかない理由も存在しています。
ほかにも障害を抱えているなど、実家暮らしをするに至った理由は複数あります。
周囲に実家暮らしをしている人がいても、簡単に「こどおば」という言葉でまとめてしまわないよう気をつけたいですね。
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