「言うこと聞いてくれないと俺どうなるかわからないから!」
「元カレの浮気癖がヤバくて、ついに我慢できずメールで別れを切り出したときでした。それまで3回くらい浮気していて、『もう二度としない、次したら別れてもいい』って言われてたんです。だから本当に限界で、言葉通り別れを切り出しました」
モエさん(仮名・29歳)が別れのメールを送った直後、彼から何度も電話とメールがきました。
「私、彼の顔と声が大好きだったんです。だから直接謝られたら許しちゃうし、電話越しに声を聞いたらそれもまた許しちゃう。でも、そんなのよくないと思って、もう会わずにメールだけで別れることを決意していました。私がメールを送ったとき最初はメールで『別れたくない』『本当にごめんなさい』『一度会って話したい』という返事がきていたんですが、会ったらどうせ言いくるめられるだけなので『もう無理』とだけ返事をしました。そしたら私が出るまで延々電話をかけてきて、メールもひっきりなしに送られてくるように…」
それでも、対応すればまた許してしまうと思って無視していたモエさん。ついに、彼から衝撃の一言が送られてきます。
「もうメールも電話もしつこいからスマホの電源を切ってました。夜中に思い出してスマホの電源をつけたら、大量のメールのなかに『言うこと聞いてくれないと俺どうなるかわからないから!』という内容が…。そんな言葉を使って私を脅している彼に、すっかり愛も冷めちゃいましたね」
「俺、ママ大好きだからさ」
「親を大事にする人は素敵だなと思いますよ。マザコンとかではなく、私も親は大事にしたいなと思っているので、夫が母親を大事にしている姿に何の違和感も感じたことはありませんでした。ただ私も妻です。大事な家族のひとりなはず。だから…元夫にあの一言を言われたときは、スーッと愛が冷めていきましたね」
アスカさん(仮名・30歳)は、半年前に離婚したばかり。離婚した理由は性格の不一致だと言います。
日ごろのイライラの積み重ねが離婚のきっかけになったというのですが、そのひとつが元夫のマザコンすぎる発言でした。
「夫がお母さん大好きなのはわかってました。お母さんの味を作ってほしいとか、月イチでお母さんに会いに行きたいとか毎週木曜の夜はお母さんとテレビ電話とか、そういうのも全部理解して結婚しました。私もお母さんのことは好きでしたし、親を好きだというのは悪いことではないと思ったので。でも…行き過ぎってものがあるじゃないですか」
それは、アスカさんが突然ひどい腹痛に襲われ、苦しんでいた木曜日の夜でした。
「意を切り裂くような痛みで悶えていて、夫に『救急車を呼んで』とお願いしたんです。そしたら、『きょうはママと電話する日だから無理』って言い出したんですよ。そして苦しむ私をしり目に母親とビデオ通話をしはじめ、挙句の果てに私を放って自分の部屋にこもりました。痛みに耐え切れず、私は自分で救急車を呼んだのですが、盲腸で緊急手術になってしまうほどひどい状態でした」
手術を終え、翌朝病院で目覚めたアスカさん。スマホに届いたたったひとつの夫からの着信を見て、なんとなく嫌な気持ちになりながら電話をかけます。すると…。
「大変だったねーって他人事。自分が救急車を呼べなかったことや、付き添えなかったことに対する謝罪はなし。私が『こういうときは、お母さんじゃなくて私のことを気にしてほしかったな』と言ったら『だって俺、ママが好きだからさ…』って。それを言われたときに愛が冷めていくのを感じましたね」
親を大切に思う気持ちは大事ですが、物事にはやはり限度があるでしょう。