6歳差の姉弟を育てるママライター、EMIです。育児、介護に関するコラムを執筆しています。
突然ですが、あなたは、お葬式の方法や遺品整理のこと、終末期の延命治療について両親と話し合ったことはありますか?
自分の親と死について話すなんて「縁起でもない!」「気まずくてできない!」と、ついつい先送りにしている人が多いのではないでしょうか?
私もその一人でしたが、父の死を経験して「終活」の大切さを実感しました。
私の父は、入院をきっかけに体調が急変、意思疎通ができない状態が続いて数カ月前にこの世を去りました。
父から何も聞いていなかった私は、父が亡くなった後、葬儀やさまざまな手続きで大変な思いをしたのです。
残された家族が困らないように、早い時期から「終活」について話し合うことが大切だと実感しました。
今回は、「終活」をテーマに親世代・子世代がやるべきことを、私の実体験からお伝えします。
終活はいつから始めるのべき?
そもそも、終活はいつから始めるのがベストなのでしょうか?
終活を始める時期について世間はどう考えているのか、見てみましょう。
40歳以上の男女500人を対象に行った「終活アンケート」では、終活を始める時期について、最もふさわしい年代一位は「60代(36%)」、次いで「50代(30.4%)」、「70代(19.2%)」と答えているのがわかりました。(参考:株式会社クリエイトアソシエ調査)
多くの人が、「終活」を50~60代で始めようと考えているようですが、私は、40~50代から始めるのがよいのではないかと考えます。
終活は、家のなかの整理など体力を使ったり、想像以上に気力を使う活動です。高齢になってからでは、思うように進められず「もっと早くすればよかった…」と後悔することも少なくありません。
亡くなった父も「終活」をやろうという意欲はあったようですが、足腰が弱って、体力を使う「家の整理」や気力を使う「書類の整理」などうまく進められませんでした。
そのため、高齢者住宅入居する前に住んでいた家には、未だに多くの荷物や書類が残っています。
不慮の事故で亡くなることも考えられますし、私の母は60代で認知症を発症しました。若くて健康でも、いつ何が起こるかわかりません。万が一に備え、早めに終活の準備をすることをおすすめします。
親が元気なうちに子世代がすべきこととは?
親が元気なうちに子世代がすべきことは、万が一のことがあったときのために、慌てずに物事を進められるように準備をしておくことです。
私が父に確認しておけばよかったと思ったことは、「延命措置」「親族や友人の連絡先」「葬儀やお墓」についての確認です。
延命措置について
私の父は、体調が急に悪化し、意思疎通がはかれない状態になりました。
家族が危篤状態に陥ったときに必ず、聞かれるのが「延命措置についてどうするか」です。
延命治療には、人工透析、経管栄養、人工呼吸器などがありますが、私は食事が摂れないときに栄養を補給する「点滴」も延命治療のひとつだと考えます。
父の場合、入院時に病院から「延命措置についての希望」を聞かれたので、事前に父の意向を確認することができました。
しかし、「食事が摂れなくなったときどうするのか」までは確認することができず、父に苦しい思いをさせてしまったのです。いまでも、父ともっと話し合っておけばよかったと後悔しています。
父は意思疎通ができなくなってから食事が摂れなくなり、亡くなる直前まで点滴で水分で栄養を補給していました。
多くの人が、食事が摂れなくなったら「点滴をしておけば、安心だ」と考えるかもしれません。しかし、点滴が返って体に悪影響を及ぼす場合もあるのです。
点滴をしてから、しばらくして父の体に次のような症状が現れました。両腕がパンパンに浮腫み、痰の量が増えて定期的に吸引をしなければならない状態になってしまったのです。
この状態を改善するには、点滴の量を減らすか、点滴をやめるしかない。点滴をやめたら、父はいずれ亡くなってしまう…。
本人の意思を確認することができないので、家族がどうするのか決めなければなりません。
親が危篤状態になり、意志疎通を行うのが難しい状況である場合、本人の意思に反して延命治療が行われてしまう可能性もあります。延命治療に対する判断はとても難しいことなのです。
そのため、意思疎通が可能であるうちに親の意思をしっかりと確認しておくことが大切です。
親族や友人の連絡先
考えたくはありませんが、親が倒れたときや万が一亡くなった場合、誰に連絡をするのかあらかじめリストを作成しておくことをおすすめします。
私は、何となく父方の親族の顔や名前は知っていましたが、連絡先までは知りませんでした。母は認知症で、父方の親族のことはすっかり忘れてしまい、連絡先すらわからない状態。
幸いにも父の姉弟がまだ元気でしっかりしていたので、親族の連絡先を聞き、無事連絡をとることができたのです。
葬儀やお墓について
自分の親に「葬儀やお墓についてどう考えているか」と聞くのは縁起でもないと思うかもしれませんが、親が元気なうちに情報収集することをおすすめします。
聞きにくいかもしれませんが、「どの程度の規模の葬儀にしたいのか」「入るお墓は決まっているのか」など確認しておきましょう。
また、入るお墓が決まっている場合は、誰が管理者なのかも合わせて確認しておくとよいでしょう。父が生きているときに葬儀やお墓について確認することができず、大変な思いをしました。
父は、入るお墓は決まっていました。しかし、父がお墓の管理者であることまでは、把握できていませんでした。父が亡くなったことにより、継承の手続きをする必要があったのです。
そして、納骨時には、埋葬施設使用許可書が必要になります。私は、父が埋葬施設使用許可書をどこに保管していたのか知らなかったので、見つけるまで大変な思いをしました。
埋葬使用許可書を誰がどこに保管しているのかも、あらかじめ確認しておきましょう。
合わせて、墓石を彫る石材店の連絡先も確認しておくと安心です。なぜなら、納骨までに墓石を彫ってもらう必要があるからです。