どっちが正しいという答えはない
日本に住む独身の友人は、「老後」をすごく心配しています。
毎年の人間ドッグに、定期健診は欠かさず、何かと気を使いながらの食生活を送っているそうなのですが、大抵日本時間の午前2時とか3時に友人からLINEが入ります。
朝の10時に出社して、仕事の終わりが夜の10時。残業があれば、夜中の12時に仕事が終わることもあるといいます。
そこから40分、バスに揺られ帰宅してから、お風呂や食事とお片付け。あしたの用意をして、ベットに入るとこの時間になるという。
老後のために働くのはいいけど、これでは後々体が壊れるのではないかと心配すると、彼女はこう言います。
「だから、人間ドック受けてるのよ!」と。結果を聞くと、コレステロール値が高いだとか、肝臓の数値が云々。だから、食生活を気にする。
休みの日も自分だけの時間はなく、ほぼ同居している高齢の母親の世話で終わるとのこと。食生活だけ見直したところで、日ごろのストレスや睡眠不足は考えてなさそうです。
よく考えると、彼女と私は長い付き合いではありますが、正反対でした。
レストランに行くと、彼女は「好きなものを最後に食べるタイプ」、私は逆で「好きなものから最初に食べるタイプ」。楽しみを最後に取っておく友人、私は楽しみを最初に味わうタイプ。
「最後に楽しみを取っておいたほうが、嬉しさが倍増じゃん!」という彼女に対して、「最後に腹いっぱいで食えないってなると損じゃん!」という私。
アリとキリギリスだって、どっちが正しいという答えはなくてもOKだと私は思います。
将来設計をきちんと立て、人生を満喫する人もいれば、先のことは考えず、なんとかなるだろうと楽観する人もいる。それでいいではありませんか。
私は「いま」という時間を満喫したいタイプだから、将来のことはあまり真剣に考えていません。どうせ、いつか死ぬし。
昔、日本で働いていたとき。私はその会社に飽きてきて、なんとなく「辞めたいなぁ」と思っていました。それを仲良かった同僚もに話すと、「私も辞めたいのよ」と言いました。
会社に不満があったわけではありませんが、若かったからか、「なんとなく、退屈」していたのです。
決まった時間に出社して、同じ制服に着替え、判で押したような毎日に、ただなんとなく「つまらない」と感じただけだったはず。
同僚と「会社やめよっかな」と話をしたとき、取った手段はそれぞれ違いました。
同僚は2カ月間辛抱して、ボーナスを貰ってから辞めると計画を立て、私は次の日に「辞めます」と辞表を出しました。
もちろん、引き継ぎなどがあるので、同日に会社を退職したわけではないが、ボーナスを貰う前に辞めたんです。
同僚からは驚かれました。「バカね!あんた!2カ月月辛抱したら、ボーナス貰えるのに!」と。
私はボーナスを貰うまでの2カ月間、会社を辞めたい気持ちを引きずって辛抱することの方が苦痛で耐えられないと思いました。
その2カ月間を耐えてボーナスを貰うより、すぐにでも「自由」がほしかった。遅くまで寝て、今後のことをボケーっと考えて、ゴロゴロして2カ月間を過ごしたいと思ったのです。
いまやりたいことは、いまやる!こう書けば、私が「フットワークが軽く、有言実行タイプ」というように、いい意味で誤解されそうですが、実は私はとても気まぐれなだけで、マイペースというだけの話。
飽きると辞める。コツコツ同じことを積み重ねることができない根性なしであり、すぐに諦める女。
努力だけが報われるとは幼いころから思っておらず、そこには運が絶対必要であることを、私は「ウサギと亀」の童話から学んでいます。
人の努力は報われる、コツコツと継続すれば、ウサギにだって負けはしない!怠けているとウサギのように早く走れる者でも負けるのである、みたいな教訓を得るのが一般的だと思いますが私は少し違います。
ウサギには運がなかったんだな…と思うのです。亀は「ウサギが寝ている隙」に勝てることができた。つまり、亀には運が味方したと思っています。
やっぱり、私は自分に都合のいい解釈しかしないんだなぁ。サングラスが日本で当たり前になる日は、いつ来るのでしょうか?
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