施設に入居させると、年金だけではとても足りない!
私の父は、国家公務員をしていたこともあり、年金は多くもらっているほうでした。
両親の年金は、月27万円ほど。それでも、都心にある民間の介護施設に入居するとなると、年金だけではとても生活できません。
サービス付き高齢者住宅は入居金がないので、入居金のある有料老人ホームより費用は抑えられますが、それでも月の総額は2人合わせて月40万円ほどかかっていました。
当然のことながら、年金だけでは足りず、貯金を切り崩して生活をしていました。
「公的施設である特別養護老人ホームなら、年金内で収まるのでは?」と思っている方もいるかもしれませんが、特別養護老人ホームに入居するには入居条件があったり、申込者が多く入居待ちの施設が多くて、すぐに入居することはできないのが現状です。
私の父は、介護度が上がってからサービス付き高齢者住宅のケアだけは対応しきれなくなり、費用が安く、もう少し手厚い介護が可能な特別養護老人ホームの申込をしていました。しかし、申込者が多くて、すぐには入居できませんでした。
そして、入居可能の連絡がきたのは、父が亡くなってしばらく経ってからだったのです。
本当に、施設に入居させたら安心なのか?
私は一人っ子で、子育て・仕事・介護の両立に限界を感じたため、両親には施設に入居してもらいました。
両親が施設に入居してから、肉体的にも精神的にも負担はかなり減りました。
しかし、両親を介護施設に入居させたからといって完全に安心できるかというと、そういうわけでもありません。
施設側が対応できないような、体調不良やケガなどで緊急搬送が必要なときは、家族が対応しなければならないことが多いのです。
施設によっては、職員が一緒に救急車に乗って病院まで付き添ってくれる場合もあります。しかし、深夜の時間帯は職員が1人しかいない施設が多く、家族が対応せざるを得ない場合が多いのです。
特別養護老人ホームのような公的な施設の場合は、入居の申し込みをする際に、緊急時にすぐに家族が対応できないと、入居できない場合もあります。
また、緊急時の対応以外にも、施設の入居させても安心できないことはたくさんあります。
介護業界の深刻な人手不足、連日ニュースで目にする介護虐待など…特に介護施設の人手不足は深刻だと感じています。
父はすでに亡くなっていますが、認知症の母は、現在のサ高住に入居して4年が経ちます。
入居当時にいた職員は、現在1人しかいませんし、面会に行くたびに職員が少ないと感じることがあります。
そして、人手不足からか、職員は、時間に追われ、余裕がないように感じます。
高いお金を払って施設に入居させても、完全に安心できるわけではありません。多くの施設では、マンパワーが足りない状態です。