カウンセリング×心理療法の、問題解決型カウンセラー・前田泰章です。発行しているメルマガでは、人間関係の改善、日常生活や仕事に役立つ情報を、実体験を通して語っています。
感情をコントロールするには、「プラス思考」を心がけることが大切です。
落ち込んでいるときには何もかも悲観的に考えてしまうので、プラス思考で前向きに考えられるようになると、落ち込んだ気持ちが上を向いてきます。
考え方のポイントを変えるという意味で、プラス思考は有効です。
ただ、プラス思考がいつも有効というわけではありません。プラス思考にもリスクがあります。
「プラス思考」がリスクになるとき
一般的には、何でもマイナスに決めてしまうマイナス思考よりはプラス思考のほうがいいとされていますが、プラス思考といえども、プラス方向への「決めつけ」が多いという点では、やはりリスクを抱えています。
どんなときにでも楽観的に「うまくいく」と考えてしまったら、向こう見ずな行動が行われてしまう可能性がありますよね。
たとえば、会社をリストラされて、お金もなく、仕事もなく、本当に苦しい状態のときには、「いまはつらいけど、なんとかなるさ!」とプラス思考をすることによって、気持ちが落ち着いてきて、よりよい行動をとれることがあります。
しかしいま会社に勤めている人が、「おれは、どこにいっても大丈夫だ!転職先だっていっぱいある。転職すれば、いまよりもっと給料があがるはずだ!」とプラス思考で考えてしまう際には、リスクもあるのです。
先々のことを楽観的に考え、上司に対して強気の態度に出て、「こんな程度の仕事は自分でやってくださいよ」などと口走り、結果的に会社に居づらくなって、辞めざるを得ないということもあり得ますからね。
いざ会社を飛び出してみたら、条件のよいところに転職できるどころか、何十社回っても雇ってもらえない。「自分には実力がある」と思っていたのに、実は会社の看板があるから取引先から相手にしてもらえていただけで、本当の実力はついていなかった。
…ということがわかってきたりします。
プラス思考というのは、やはりひとつの「決めつけ」であり、しかも「自分にとって何もかもいいことが起こる」というかなり無理の多い思考パターンになりがちです。
ですので、プラス思考を持つことはよいことではありますが、プラス思考だけでは危険。
プラスにも考えられるし、マイナスにも考えられる思考面の幅広さ、柔軟性こそが大事なのです。
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