苦しかった長男の中学受験が幕を閉じて、10日ほど経ったころ。自分の仕事もはかどるのかと思っていましたが、「燃え尽き症候群かしら?」というくらい何もしたくない日々が続いていました。
受験後の10日間では家族で旅行もしたし、親しい同級生家族たちと打ち上げも数回やった。子どものサッカー応援も復活できました。
充実した日々を過ごしているはずなのに、どうも仕事や家事のやる気がおきない。「自分のことをしっかりやらないと…」と頭ではわかっているけど、なかなか動けない。
でも、「それだけがんばってきたんだろう」と自分を慰め、少しずつペースを戻していきました。きょうは、そんな受験のこぼれ話を綴りたいと思います。
嫌いな自分との出会い
いまはお互い感謝しあえて、笑顔で生活できていますが、正直受験期間は、本当に醜い自分をたくさん見てしまいました。それを思い出すたびに、にが〜い味がするわけです。
これまでの子育て中も、嫌な自分はたくさん見てきました。でも、夏以降は本当に切羽詰まり、追い込まれ、一層見たくない自分がおさえきれずに登場したのです。
子育てって、いままで知らなかった自分にたくさん出会いますよね。私、こんなに怒りっぽいんだ。私、こんなに大きな声出せるんだ。私、こんなにできないことがいっぱいあったんだ…とか。
とくに、できない自分だけでなく子どもに怒鳴り散らすような自分に直面して、軽いパニック。自分に対する驚きと失望。頭と心はバラバラな状態に陥ってしまいました。
でもこれって、決して特別なことではないのです。母親になったら誰しも、直面することなんじゃないかなと思います。ある意味子育ては、1番会いたくない自分と直面し、それを乗り越えていく作業なのかもしれません。
正直、本当にしんどい。でもこれがあるから、私たち母親は、人として大きな成長と変革をとげるのでしょう。大変な時期にいるうちは、そのことに気づくのは難しいでしょう。
でも数年後に、腑に落ちるときがくると思うのです。実際私は、今回の受験を通してそう思えました。
ママだって、わがままいってもいい
受験期間中は、本当に「地獄か!」と何度も逃げ出したくなりました。キレる自分にがっかりして嫌悪したけど、当の長男が逃げ出さずに自分や私や試練と向き合ってくれたおかげで、そのときには想像もすることができなかった未来に辿りつくことができました。
「私、本当はこんなことがいいたいんじゃない。こんなお母さんでいたいのに…」思いと行動が矛盾している苦しさは、相当しんどかったです。でも、苦しい渦中のその先に、親としての気づきがありました。
「今この状態は子育てで誰もが通る過程なんだ」ということ。
イライラしちゃうときは、たいていママ自身が疲れていたり、焦っていたりするときだということ。その感情を1歩ひいたところから見つめ、ただ感じていいんだということ。
「自分がおかしいんじゃないんだ」「ママだってこんな感情を持っていいんだ」「もっと自分を大切にしていいんだ」「ママだけどわがままいっていいんだ」「逃げたいって思ったっていいんだ」ということ。
そんなふうに子育ての考え方やコツ、自分と向き合う心の準備を知ることができた私たちはラッキーなのです。
本当に大切なことは、シンプルでそれほど難しいことではない。子どもを最後まで信じることの大切さも改めて噛みしめました。信じることをやめていたらきょうという日はなく、別の結果があったでしょう。
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