僕のカウンセリングルームでは、男女関係なく家事をおこなうことを推奨しています。大げさないいかたかもしれませんが、家事を積極的にできるかたというのは、素晴らしい社会貢献をおこなっていると思うのです。
なぜなら、幸せな家族を築くことができ、なおかつパートナー(恋人)の精神的なサポートが積極的にできているからです。
会社に尽くし、社会に利益をもたらすだけが社会貢献ではありません。家族に喜んでもらうこと。幸せな家族を築くこと。
そこから周囲の人たちに幸せが広がるのですから、これもすばらしい社会貢献だと思いませんか?
専業主夫を経験したことで…
僕が家事を推奨する理由は、僕自身の体験にあります。以前、僕は家庭を顧みないサラリーマンでした。「男は仕事だけして、家にお金を入れればいい」「家事、育児は妻がするもの」本気でそう思っていました。
恥ずかしい話、赤ちゃんだったころの娘のおしめを替えたことは1度しかありません。妻が美容院に行き、2人で留守番をしていたときも、僕はお酒を飲んでしまい、娘の子守りもできませんでした。
当然、なつくはずはありません。ところが原因不明の病気になり、働けない状態に追い込まれ、失業し、妻の扶養に入り、「専業主夫」を経験したころから考えが変わり始めました。
…と同時に、家族間も変わりました。家族との時間が必然的に増えたというのもありましたが、サラリーマン時代にはまったくなつかなかった娘がなつくようになり、妻と向き合う時間が増えたことで、離婚寸前だった関係もいいように変わったのです。
「私にとって本当に手に入れたかったものは、こういうことだったんだ!」と思えた瞬間でした。何をやっても満たされなかった「僕の心」が、初めて「幸せ」を感じられた瞬間でした。人それぞれ、「幸せの軸」はあると思います。
専業主夫を経験したことで、私にとっての「幸せの軸」が、「仕事」や「人間関係」「お金」ではなく、「家族」だったということにようやく気づかされたのです。さて、あなたにとっての幸せの軸は、どんなことでしょう?