こんにちは。「楽しい子育てメルマガ ー子どもの人格の育て方・鍛え方ー」の著者で、子育てコーチの山本節子です。きょうは、「子どもの心育ての大切さ」について書いたメルマガを、Webメディア「by them」でシェアしましょう。
子育ては、知識や脳の発達に関心がいきがちですが、子どもの「心育て」は、とても大切です。
「しつけ」を2種類にわける
しつけは、「生活の自立」と「心育て」の2つに大別されます。この2つを合わせて「家庭教育」といいます。とくに、「心育て」は、「道徳教育」あるいは「人格教育」ともいわれます。
最近は、しつけというと、「生活の自立」だけに関心がいきがちです。「心育て」は、おろそかになっています。聞いたことがないという方も多いでしょう。
しかし、「心育て」は、とても大切なことです。「生活の自立」と「心育て」のサポートの仕方を、それぞれを見てみましょう。
親にできる「生活の自立」のサポートとは
「生活の自立」は、親のサポートがなくても、大人と同じように生活ができることです。
子どもは意志と欲求に満ち満ちています。ヤダヤダ期になると、さらに子どもの欲求が強くなります。「自分でやる、自分でやる」と、なんでも自分でやろうとします。別名「やるやる期」というそうです。
危なくない限り、親の忍耐の許す限り、子どもが満足するまでさせてあげましょう。
洋服の脱ぎ着、靴をはく、スプーンを使って食べる…少しでも自分でできるようになったことは、「できたね」とほめてあげましょう。ほめられると、「できた」ことに自信をもち、次のチャレンジにつながります。
しかし、子どもは大人と違って、指先もうまく使えず時間もかかります。やりたくても上手にできません。1度はできたはずなのに、次はできないこともあります。できないときは本人もイライラするでしょう。できたり、できなかったりしながら上手になるのです。
食事もいつもパクパク食べるとは限りません。食べたり食べなかったり、ムラがあるのは当たり前です。無理に食べさせようとすると、子どもにとって食事は楽しい時間ではなく、不愉快な時間になります。よけいに食欲がわかなくなります。それでも毎回無理やり食べさせようとすると、食事の時間が、拷問の時間になるかもしれません。
心配しなくても、幼稚園や小学校になって友達と一緒に食べるようになると、自然とたくさん食べるようになります。
その他にも、「朝起きたらひとりで着替えをする」、「靴を自分ではく」など、なかなか上手にできません。
急いでいるときは、親もイライラして、「まだできないの」、「早くしなさい」、「何度言えばわかるの」と、つい強い口調で、言う通りに動かそうとします。早くしないと、1日のスケジュールが終わらないので、無理もありませんよね。
しかし、何度言っても、できないものはできません。本人のプライドが傷つかないように、ソッと手伝ったり、時間も余裕を見ておくといいでしょう。
成長の進み方も個人差があります。どの子もまっすぐに順調に成長するわけではありません。進んだり後戻りをしながら成長していきます。上の子はすぐにできても、下の子はできないこともあります。
叱られても平気な子どももいれば、同じように叱られると委縮して親の顔色をうかがう子もいます。成長には個人差があります。
「生活の自立」サポートは、急ぐ必要はまったくありません。
遅いか早いかだけです。大人になれば、誰でもできることです。
高次元の「生活の自立」のサポートとして、立居振舞を美しい所作にしつけることがあります。たとえば、「いただきます、ごちそうさまの食事時のあいさつ」、「口をお皿に近づけて食べない」、「机を蹴りながら食べない」あまりにもテーブルマナーが悪いときは、「汚ない食べ方だよ」との指摘は必要です。
しかし、これは大きくなって、本人の自覚で何とでもできることです。