クィアマガジン「purple millennium」を運営し、LGBTQ当事者としての経験や考えを発信しているHonoka Yamasakiです。
突然ですが、みなさんは「フェミニズム」について詳しくご存じでしょうか?フェミニズムは、女性だけでなく男性含むすべての人たちにとって大事な分野だと思っています。
「男性だからこうしなさい」「女性だからこうあるべき」。これらの言葉は、一度は見聞きしたことがある人もいるでしょう。そして日常を過ごすなかで、このように向けられた言葉に対して違和感を抱えたことがあるかたもいるのではないでしょうか。
フェミニズムは、この違和感が何なのかを明確にするものであり、都合の悪い世の中から脱出するためのツールでもあります。
そこで今回は、フェミニズムを学んでいる人、これから勉強したい人に向けて、私がおすすめする本5冊(+おまけ数冊)をご紹介!
フェミニズムを学ぶ過程で頻出する「ジェンダー」についてもおさえておくと、より理解を深めることができるので、あわせてご紹介します。
『ジェンダー論をつかむ』/千田有紀 、中西祐子、青山薫
『ジェンダー論をつかむ』は、私がいままで読んだジェンダーについての本のなかで、一番わかりやすいと感じた本です。大学の教科書としても使われることの多い本書は、簡単な言葉で一から解説されているので、ジェンダーについてまったく知らない人でも入門書として活用できます。
第一章の「そもそも性別とはなにか」から始まり、各章では、ジェンダーを家族、労働、教育、日常生活、国家、身体、フェミニズムのそれぞれから読み解いていきます。
我々が普段過ごしていて関わるなかに潜むジェンダーに関する問題など、日常の問いを読者に投げかけることで、より問題意識が芽生え、考える機会が増えるでしょう。
『Black Box』/伊藤詩織
『Black Box』は、尊敬していた人物からレイプ被害を受けたジャーナリストの伊藤詩織さんが、真実をつづった一冊です。
彼女は、思い出したくもない出来事を“ないもの”として終わらせたくない一心で、被害届と告訴状を提出。相応の裁きがなされると思いきや、司法やメディアの壁が伊藤さんに立ちはだかりました。
準強姦罪の逮捕状が出たにもかかわらず、当日になぜか逮捕が見送りになり、不起訴処分となってしまうという事実。さらにSNS上では、被害者である伊藤さんを中傷する人が続出。
加害者が裁かれない社会の闇や権力の傲慢さなど、日本に存在するさまざまなブラックボックスが浮き彫りになる一冊です。