こんにちは。韓国在住歴4年目、日本語教師でライターのHAZUKIです。Webメディア「by them」で、韓国の今を切り取り、生の情報をお届けしています。
きょうは筆者の本職である日本語教師について、特に2020年、2021年、2022年の韓国での日本語市場がどのように変化していったかについて経験を交えながらお話します。
韓国で働きたいと考えているかた、そのなかでも日本語教師を目指しているかたの参考にもなるかもしれません。
韓国で日本語教師になるには、どんな資格がいるの?
まず筆者の現在のスペックについてです。
- 4年生大学卒業(言語系専攻)
- 日本語教師資格あり
- 日本での中高英語科教育免許あり
- 韓国語実力TOPIK6級
- 韓国での日本語教師歴4年
- F6ビザ(結婚ビザ)所有
韓国で働いている日本語教師のなかには、もっとスペックが高く、いい条件で授業をしている人も大勢います。
筆者はそこまでではないですが、一応これぐらいのスペックがあればこれぐらいの仕事ができるんだという参考にしていただけばいいと思います。
次に資格などをいつ取ったのか、なぜ必要だったのかについても合わせて話していきますね。
70%も売り上げが落ちた?2020年の韓国「塾」事情
ではまず2020年から。
2019年、2020年はEJU(日本留学試験)の対策をメインに実施している大手の日本語塾で働いていました。
このときは、「履歴書に書ける経歴を作るために名前がある程度知られている塾で働くことが必要」だと考えていたので、家から1時間以上離れたところまで汽車(日本の電車と新幹線の間のような乗り物だと思ってください)で毎日通いました。
給料は安かったのですが、大手ということがあり、多種多様な授業を経験できたのでよかったです。ただここでは、韓国語を使う機会が全くありませんでした。
日本語専門塾ということもあり、日本人は日本語会話、上級日本語だけの担当、さらに講師、スタッフみな日本語ができたので塾内ではすべてのコミュニケーションが日本語でした。そのため、韓国に来て2年も経っていたのに、韓国語がほとんど話せませんでした。
ちなみにこの塾に入る前、別の大手の塾の面接を受けて落ちてしまったのですが、その理由が「420時間の資格を取ってからまた来てください」でした。
日本語の教師の資格は基本的に以下の3つがあります。
- 大学で日本語専攻をして教育免許を取得する
- 日本語教育技能検定に合格する
- 日本語教育に関する420時間の講義を受講し、修了証を取得する
大手塾では1と3は必須のところが多いです。
しかしコロナ禍のいまは韓国で働ける日本人の数が減少したため、「日本人だったら資格はなくてもいい!」という塾も増えていると聞きました。ちなみに筆者は韓国に住んでいるので、通信型の講義を受講しましたよ。
「420時間の資格を取ってからまた来てください」と言われたとき、日本語教師の420時間の修了の大切さに気づき、すぐに日本語教師のアカデミーに登録しました。
…なのですが、いまさらになって考えてみると、その塾以外には420時間修了の有無について聞かれたことがなかったので、とくになくても日本語の授業ができたんじゃないかと思います。
実際周りにいる日本人の日本語教師のなかでも、資格を持っていない人も多くいました。
日本語について学ぶことはできましたが、これは別に独学でもできることなので、それ以外については特にあってよかったと感じることはありません。
ちなみに、2020年に新型コロナウイルスの影響で働いていた塾を退職することに…。新型コロナウイルスでこれから数年間は海外に行けないことが見通され、日本留学を希望する学生が減ったためです。
筆者が勤務したこの塾は、筆者が辞めた当時は70%も売り上げが落ちたとのことでした。
ベテラン日本人講師が離れていった2021年
2021年は時間的に余裕が増え、企業への出講授業、家庭教師、そして塾での1:1の授業を担当しました。
いままでは塾のなかでの決まった時間のクラスを担当していたので、ほかのクラスの授業はできなかったのですが、このときからさまざまなクラスの授業を担当できるようになりました。
正直、このときの筆者は経験豊富なほうではありませんでした。しかしビザの問題でベテラン日本人日本語教師がどんどん韓国から離れていってしまい、彼らが担当していたクラスに対応できる教師がいなかったのです。
そのために新型コロナウイルスが流行する前だったらとうてい話が回ってこなかったような授業も回ってくるようになり、以前よりいい条件で授業できるようになりました。「自分はフリーランスなんだ」と感じたのがこの時期でした。
このころから芸能人への授業や、いわゆる企業のお偉いさんたちと授業するようになりました。ここで結果を出したり、生徒さんが自分の授業を気に入ってくれたら、授業延長や給料アップにつながるので、2020年よりやりがいはありました。
新しいタイプの授業をすればするほど経験になり、その経験からさらに授業が入ってくるなど好循環の時期。
ただ、スケジュール管理を全部自分がしなければいけない点、ソウルまでの交通時間、そして平日・休日問わず毎日授業があったことなどで、かなり体力的・精神的に疲れた1年でした。
2021年に大学院の試験を受けたのですが、こんな状況ですから当然不合格でした(大学院の試験を受けた日にも日本語の授業をしました)。