こんにちは、椎名です。僕は身体の性が女性で心の性は定めていないセクシュアルマイノリティで、女性のパートナーと生活をともにしています。
子どもを持つことに対する考え方や置かれた状況など、さまざまな理由で子どもを持たないと決めたカップルやご夫婦は、国内外にいらっしゃいます。
僕と彼女も、子どもをもつ予定がないカップルです。子どもをもつ予定はないのですが、だからといって子どもたちに関する支援について無関心なわけではありません。
セクシュアルマイノリティとして生きると決めたころから、困難な状況にある子どもたちへなにか支援することはできないかと考えていました。
これはきっと珍しいことではなく、僕と同じように「未来を担う子どもたちのためになにかしたい」と漠然と考えてらっしゃるかたはいらっしゃるのではと思います。
今回はそんな僕が考えている、子どもたちへの支援についてお話しします。特に、「寄付をすること」にハードルの高さを感じていらっしゃるかたにはぜひ読んでいただきたいです。
僕たちが子どもを持たない背景
僕はLGBTQ+当事者(男女のいずれにも属さないと考えるXジェンダー)で、身体の性は女性。パートナーも身体の性が女性です。
セクシュアルマイノリティのカップルで子育てをしているカップルは国内に何組もいらっしゃるので、僕たちカップルも子どもを持つことについてなにも考えなかったわけではありません。
ふたりで話し合い、同性婚やセクシュアルマイノリティに対する政治的、社会的な扱われ方を鑑みて、「いまの日本は子どもに要らない苦労をさせるかもしれない社会だ」と考え、お互い納得のうえ、もたないことにしようという結論に至りました。
もし日本の現状が、いまよりもずっとセクシュアルマイノリティに寄り添ってくれていたら、持つことにしたかもしれません。
なので子どもが嫌いなわけではなく、むしろ政治家に「なぜもっと子育て家庭への支援を手厚くしないのだ」と憤りを感じています。
子育ての外野である僕から見ても、いまの日本は産み育てやすい国とは思えません。
一昨年から参加をはじめた「本の寄付」
「子どもたちのために、できることがしたいな」と漠然と考えていた2021年の秋ごろ。NPO法人チャリティーサンタが行っている「ブックサンタ」という寄付のプロジェクトに出会いました。
ブックサンタは、困難な状況にある子どもたちへクリスマスプレゼントとして本を贈るプロジェクト。
全国にある提携書店やブックサンタのオンライン書店から贈りたい本を1冊から選び購入するだけで、気軽に参加できるのが特徴です。
2021年のクリスマスのプロジェクトから参加し、昨年も数冊単位ではありますが参加しました。
僕はブックサンタに出会ったことで、「寄付をすること」にふたつの偏ったイメージを持っていたことに気づきました。
ひとつめは、寄付をする際はまとまった金額、少なくとも何万単位でなければいけないような気がしていて、寄付に対し、裕福なかたがするものという偏ったイメージをなんとなく持ってしまっていたのです。
なので、平凡ないち庶民である自分が寄付をする、ということにハードルの高さを感じていました。
ふたつめは、なんとなく難しくて手間のかかるものというイメージです。
以前ニュースサイトなどで、「中古品の寄付は困る」という記事を読んだことがあり、「新品だとしてもなにを寄付したらいいのか」「何が喜ばれるのか」「現金でなければいけないのか」など、寄付の仕方についてわからない点が多かったので、漠然と難しそうだと思っていたのです。
ブックサンタは前述の通り、本1冊から、オンラインならばスマホから気軽に参加が可能。金額も、本によっては1冊1000円以下から参加することができます。
しかも「本を贈る」と、物も明確。受け取る側から、「本」という求められているかたちで寄付をすることができるのも魅力に感じました。
ブックサンタに参加をしてみたことで、僕のなかにあった寄付をすることへのハードルはグッとさがり、二度目の参加である昨年クリスマスのブックサンタへの参加にはハードルを全く感じませんでした。