こんにちは、椎名です。
今回は、長く勤めたブラックに近いグレーな企業から、はれてホワイトだなと思える企業に転職した際に感じたことをお話しします。
あえて結論から言うと、ブラックと感じていた企業といまのホワイトだと感じる企業とではまるで別の世界のようでした。
入社して3日目の気づき
どんな職場であっても、入社する際、大なり小なり不安はつきまとうもの。条件や職場の環境を聞いても、面接官の人柄から社内の雰囲気を推測しても、給与や福利厚生などの書面に基づくもの以外は実際に入社してみなければわかりません。
僕の場合も、また前職のような過酷な仕事量であったり、社長がパワハラをはたらくような人だとか、上層部がそれをよしとしてナアナアにしている職場なのではないかと考えると際限がありませんでした。
そういった職場ではなかったとしても、新しい職場で自分はやっていけるのかという不安は残るでしょう。
少しでもそれらの不安を抑えるため、僕は無責任かもしれないけれど「頑張れなさそうな職場だったとしたら、試用期間で辞めればいい」と考えるようにして入社への一歩を踏み出しました。
初日こそ不安で苦しかったものの、新しい上司や先輩方があたたかく迎え入れてくれたおかげで、現場に入って3日目には初日の不安がかなりおさまりました。
ひとまずほっと胸をなでおろしたそのときに、ふと、あることに気づいたのです。それはこの職場では「人の怒鳴り声が聞こえない」ということ。
前職では社長から社員への怒声や、社員から協力会社への電話で圧をかける話し声や怒鳴り声を聞くことが日常茶飯事でした。
毎日ではなくとも、体感としては2日に一度は怒鳴り声を耳にしながら働いていたのですが、ここでは一切聞こえない。
新しい職場は基本的に静かですが、静まり返っているわけではなくわいわいとした笑い声やちょっとした雑談、真剣な話し声は聞こえます。ただただ、怒鳴り声だけが聞こえないのです。
思えば、この3日間一度も怒鳴り声を耳にしていない。
そう気づいたときの安堵感は、胸をなでおろすどころか、肩に覆い被さっていた重い何かがズルっと剥がれ落ちたような身も心も軽くなるような感覚をおぼえました。
杞憂に終わったこと
入社するにあたって僕が心配していたことのひとつに、「仕事に対する集中力が低下していたこと」がありました。
前職でストレスから体調を崩してからというもの、僕は仕事中に焦燥感や不安感に襲われてしまい、どうにも気が散って集中したくても集中できないという状況に陥るようになっていて。
酷いときには聴覚過敏のような症状が出てしまい、特定の人の話し声などへ嫌悪感を抱くようになっていました。
それでもやらなければ仕事は遅れる一方なので少しでも仕事を進めるため、無理やり身体と頭を動かしてなんとか仕事を進めていました。
はじめは月に数回程度だったのが退職まで何年も続く内に次第に頻度が上がり、最後は頻発するようになってしまい…それが、本当に本当に苦しかったです。
当然のことですが、集中力が途切れたなかで仕事をすればミスは起きやすくなります。
簡単なミスや思い違いが少しずつ増えるようになった自分のことも許せなくて、どうにか取り戻そうとミスを修正したりミスによって起きたトラブルをフォローしていたので、その増えた分の業務量がほかの業務を圧迫する悪循環に陥ってしまいました。
そのときは、自分がどんどん仕事ができなくなっていくように感じて、とても辛かった…。
仕事に行けなくなってから再就職までの間、意識して休養をしっかりとったけれど、もし新しい職場でも集中できなかったらどうしよう。もしそうなったら新しい上司や同僚にどう思われるだろうか…と不安だった。
しかし前述のように、怒鳴り声が聞こえないなかでの就業は、思っていたよりも自然に業務に集中できているように感じました。
もちろん新しい業務を覚える大変さはありますし、曜日や時間によって疲れたり集中が途切れてムラがあることはありますが、一般的な範囲と思える程度。僕にとってこれは「普通に仕事ができる」状態でした。
心配をして損をしたとまでは言いませんが、杞憂に終わったことが、いまはとても嬉しいです。