みなさんこんにちは。私は、現在ソウルで留学生対象にシェアハウスを運営中。
韓国に住んで10年以上経ちますが、政治や選挙に興味を持っている人が多いのを感じます。
特に一番注目されるのは、5年に1度の「大統領選挙」。韓国の大統領選の過去の投票率を見てみると、
- 2012年78.5%
- 2017年77.2%
- 2022年77.1%
と、投票率を見ても韓国国民の選挙への関心が高いのがわかるでしょう。
大統領選挙では、国民一人一人が自身の支持する候補者へ直接投票できるのも、選挙に関心を持つ理由の一つだと思います。
私は5年前に、韓国で永住権を取得しました。
韓国では、永住権を取得した外国人にも地方選挙の選挙権を与えてくれます。昨年、初めて韓国で投票にも行きました。
正直、日本にいたころは選挙に、あまり興味がありませんでした。しかし、韓国に住むようになってから選挙に興味を持たずにはいられなくなりました。
なぜなら演説、政見放送、開票投票などがすべてにおいて日本とはびっくりするくらい違うからです。
思わず見入ってしまう「街頭演説」
選挙活動期間、日本と同じようにさまざまな場所で候補者による街頭演説が行われます。
私が初めて韓国の街頭演説を見たのは、韓国に来て2年目のとき。
当時、選挙期間ということは知ってはいましたが、選挙権のなかった外国人の私は特に興味はありませんでした。
ある日、地下鉄駅前で友人を待っていたところ、駅前の広場に群衆ができていました。なんだろうと思い覗いてみると、そこには派手な服装をした中高年の女性数十人がいて…。
演歌のようなポップな音楽が流れ始め、その女性たちが踊り始めたのです。
「ああ、きょうは何かお祭りでもあるのかな?」と思いながら眺めていたら、その後ろには選挙カーがあり、候補者らしき人が手降ったり、挨拶したりしているではありませんか!
そして見物人たちもそのポップな音楽に合わせて手拍子したり、踊ったり、歌ったり…それはもうノリノリで、ちょっとしたロック歌手のコンサート会場みたいになっていました。
「韓国の街頭演説ってこんなお祭りみたいなものなの?」と、おかしくておかしくて一人でニヤニヤしながら見入ってしまったのを、いまでも鮮明に覚えています。
ちなみに、前回の大統領選挙時、投票日1週間ほど前の週末、外から「ウォ~!」という群衆の声が聞こえたので、「あ、街頭演説に来たんだな」と思い、急いで見に行きました。
地下鉄駅前に作られたステージのうえには、応援団らしき若者達が両手にボンボンを持ち、候補者のテーマ曲(おそらくオリジナル曲)をBGMに、歌ったり踊ったりして、街頭演説を盛り上げていました。
見物人もそれはもうノリノリ!その様子を携帯で撮影し、SNSに載せたところ、知り合いのフランス人から「それ、韓国の選挙演説?私の国とは全然違う!両親に見せたいからデータ送ってほしい」と言われました。
フランス人から見ても、韓国の選挙演説はとても興味深かったのかもしれませんね。
口喧嘩になることも…!?「政見放送」
候補者がテレビに出演して行う、政見放送。冷静な日本人とは違って、韓国では候補者たちが熱くなることも多いです。
生放送なのに、候補者同士の討論に火がついて口喧嘩のようになることも多々あり、見ていておろおろしてしまうときもあります。
ときにはぽろっと本音を垣間見ることもでき、かなり見ごたえがありますよ!
バラエティ番組のような「開票速報」
投票日の午後くらいから、ケーブルテレビ局も含めて、各放送局は一斉に開票速報を放送します。
ベテランのアナウンサーが担当する真面目な開票速報なのですが、開票情報の表示の仕方が日本では考えられないくらいユニークで、まるでバラエティ番組かと思ってしまうくらいなのです。
たとえば、少女時代やTWICEのようなテンポのよいK-POPをBGMで流しながら、候補者たちの顔が合成されたアニメーションのダンサーがノリノリで踊っていたり、Queen(クイーン)の『We Will Rock You』をBGMに、やはり顔だけ合成された候補者がタンクトップで舞台のうえでこぶしをあげてたり、映画『E.T.』をまねて、候補者たちが自転車に乗って夜空を飛んで競っていたり…。
そんなコミカルな画面のしたには開票状況が随時表示されており、アナウンサーたちは真面目に淡々と開票状況を読み上げます。このギャップが、何とも言えずおもしろいのです。
私は選挙の結果よりも、開票速報見たさに選挙投票日はいつも夜遅くまで起きています。
小学生の子どもと開票速報を見ながらいつもけらけら笑っていると、「お父さんとお母さんは誰に投票したの?どうして?」と選挙の話になることもあります。開票速報はユニークですが、子どもにはよい影響を与えていると思います。
これらのように 韓国の選挙期間はなんだか長い長いお祭り期間のようで毎回ワクワクしてしまいます。これこそまさにThe・韓国という感じでとても魅力的です。
また、このお祭りのような選挙活動は、若い人たちが選挙に少しでも興味を持つよい機会になっているのではないかとも感じています。
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