20歳年上の夫とマイペース高1息子と暮らすアラフィフ主婦ライター、塩辛いか乃です。
中高の体育祭となると、子どもたちが勝手に楽しんで、親は見に行かないというイメージも強いですが、息子の学校は保護者も大挙して見学に行く一大イベント。
小学校時代と違い、体育祭委員が中心となって自分たちで作り上げる体育祭なので、盛り上がり感もひとしお。
運動は苦手な息子ですが、縦割りのチーム別で行うアトラクションダンスにはずいぶん気合が入っており、彼なりに楽しめたようです。
それぞれ工夫のある競技で見ごたえもある体育祭でしたが、気になってしまったことがひとつありました。
…いや、これは今年に限ったことではなく、小学校時代から思っていたことです。それは、生徒たちが「野ざらし」だということ。
なぜ「子どもは野ざらしで大丈夫」なのか
小学校時代も中高も、毎年5月の中旬から下旬開催。
5月ってね、めちゃくちゃ暑いんですよ。真夏とは違う暑さですが、一年で一番紫外線が多い季節と言うのがよくわかるほど、とにかく日差しが強い。
カッと照りつける太陽を浴び続けるのは、とても体力消耗します。
見ている保護者たちは、自分の子どもの出番以外は日陰に行ったり、帽子をかぶったり、日傘をさしたりと工夫ができるのですが、気になるのは子どもたち。
日影が一切ない場所で、自分たちの出番以外はずっとそこで待機。直射日光にさらされながら、朝から午後3時くらいまでいるんですよね。
息子が小学生だったときは5月末で炎天下という年も多く、熱中症注意報が出た年もありました。
学校のグラウンドって基本日影がなく、それでも子どもたちは炎天下に座っていなくちゃいけない。
小学校1年生とか、もう見ていてハラハラします。
学校側も「水をたくさん飲んで」とか言っていましたが、そういう問題ではなく、テントで日陰を作ったほうがいいんじゃないかと思っていました。
だって、PTAの来賓席と先生方にはきっちりテントがあるんですよね。保護者は自分たちで防御できる。子どもは野ざらしで大丈夫という理屈がどこから出てくるのかわからないのです。
実際、息子も「出番はいいけど、ずっと暑い場所に座っているのが嫌だ」と毎年のように言っていました。
ずっと疑問でしたが、公立の小学校だし予算もなければ考え方も古いしで仕方がないのかなと思っていました。
子どもにはたっぷりの飲み物と首に巻く冷やすアイテムを渡し、「ちょっとでも具合が悪くなったらトイレに行くふりをして日陰で休め」と指導。とはいえ、みんなが座っていると抜けにくいんですよね…。
私立中学にあがってしばらくは新型コロナウイルスの影響で体育祭自体が中止になったり、小規模化したりで炎天下問題にはぶつからず、それはそれで別のモヤモヤがありましたが、昨年から体育祭が復活。
体育祭などの行事が盛り上がることも魅力のひとつで入れた私立の学校だったので、観覧を楽しみにしていました。
コロナ明けで数年ぶりにフル開催された昨年の体育祭ですが…やはりこちらも生徒たちは日陰なしの炎天下待機。
うーん、私立の学校ならテントくらい置けそうだけどと思っていたのになぁ。
ただ、小学校時代のようにじっと座っていなくてはいけない雰囲気でもなく、飲み物を買いに行ったりする子も散見されたので、息子にも「無理してじっと座らずに、適当に日陰に入ったほうがいいよ」と伝えておきました。
息子も自分が体力がないことはわかっているので、「帽子を貸してほしい」とわたしのアウトドア用のつばの広い帽子を持参。
さらに当日は、体力がない人用のテントが脇に設置されていたようで、息子は同じような「インドア派」と日陰に入っていたそう。これはいいなと思いました。
体力がない人用のテントも撤去された今年の体育祭
今年の体育祭は例年よりは暑さがマシでしたが、やっぱりそれでもピーカンのお天気。
今年もわたしのつば広帽子を貸し出し、息子は視力が悪くてメガネをかけているのにさらにサングラスを持って行きました。
つば広帽子にサングラス姿で生徒の応援席にいたのはおそらく息子だけのようで、割と写真を撮られていましたね(笑)。
体育祭自体はものすごく盛り上がりましたが、それでもやっぱり気になったのは生徒たちの野ざらし。
運営側にいる先生方と生徒会ブースはテントがあるのですが、生徒側にはない。去年あった「体力がない人用のテント」も、今年は見つからずでした。
息子たちは高校生で、自由に動き回れたと思うのですが、入りたての中学1年生とかはなかなかできないと思うんですよね。
それに、うちの息子のようにインドアな子もいる。と思うと、やっぱり日陰を用意するくらいの配慮があったほうがいいかなぁと思うのです。
体育祭は自分の出番って意外と多くなくて、待機時間のほうが長いわけです。その間じっと直射日光に当たってるってなかなかしんどい。
しかも昭和の時代とは違い、5月でも30度近くまで気温が上がっている昨今。
サッカーや陸上など運動部に所属している子は外での活動に慣れていると思いますが、基本インドアで体力ない息子なんて「熱中症で死ぬんじゃないか」と本気で心配になります。
熱中症って軽く見られがちですけど毎年人が亡くなってますし、熱中症の症状も泡を吹いたり嘔吐したり高熱が出たり…かなりひどいと昏睡状態になると聞きます。
そもそも日の当たる場所に出ていない息子が、突然直射日光にさらされたら倒れてもおかしくない。
だけどそれって、「鍛えてないからこっちが悪い」って話でもないと思うんですよね。
気候だけ亜熱帯のよう、人の気質は真面目なまま
最近は、「熱中症アラート」なんてのも毎日のように出ていますが、体育の授業も部活もアラートは関係なく外で行うんですよね。
まだ考え方が昭和からアップデートされていないのかなぁと思ってしまうのです。
わたし自身も暑さに弱く、夏の暑い時間帯はできるだけ外出を避けます。車で移動したり、涼しいショッピングモールや映画のお出かけなどを中心にし、外でのレジャーは生きて帰れる気がしないので回避。
また、登下校も危険な暑さになるので、息子に日傘を持たせています。
熱中症って男女関係ないのに、日傘はメンズ向けがないのもなんだかなぁです。
幸い息子は人と違うことをするのが恥ずかしくない子なので、暑いと思ったら素直に日傘をさしているようですし、最近は登校中に日傘をさすことについても寛容になっているようで、学校からの注意もないようです。
…というか日傘は邪魔になるから禁止っていう学校もあるみたいですが、「だったら雨傘も邪魔じゃん」と思いっきり反論したくなりますよね。日傘のほうが命の危険を守るには役割が大きいと思いますし。
そんな感じで、もはや日本は亜熱帯と言っても過言ではない気温になってきています。
じわじわあがる気温に気づかないまま、日本国民は「茹でガエル」になってしまいそう。そんな暑いなかでも、建設業や外に立つ仕事をされている方は本当に大変だと思います。
南国のような暑い国はみんな気持ちがゆるやかな傾向があると思いますが、日本は気候は亜熱帯のようなのに人の気質は真面目なまんま。
ここはヨーロッパのようにシエスタ制度を採り入れるとか、思い切った施策をとって解消していってほしいなと思います。
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