こんにちは。韓国在住6年目、日本語教師でライターのHAZUKIです。在韓ならではの生きた韓国情報をお届けします。
韓国が大変な状況にあるのは、日本に住んでいるみなさんもご存じだと思います。「戒厳令(かいげんれい)」なんていう単語もニュースでにする機会が増えましたね。
今回は、戒厳令についてではなく「韓国のデモ文化」についてお話します。ぜひ最後までご覧ください。
韓国のデモ文化
韓国では、日本よりもデモが頻繁に起こります。それは、韓国が自分たちの意思をしっかり示す文化を持っているからかもしれません。
最近では、戒厳令は起こる前からも、大統領や大統領夫人に対する批判デモが毎週のように行われていました。
逆に、大統領を支持するデモも並行して行われていて、街中で異なる意見がぶつかり合う光景を見ることもあります。
ケンカになることもありますが、デモをする前にはきちんと警察に事前に届けたり、歌を歌ったり踊ったりなど「デモ=こわい」のイメージは薄れつつありました。
「キャンドルデモ」から「応援棒デモ」へ
韓国でデモといえば「キャンドルデモ」が有名です。
たとえば、朴槿恵(パククネ)元大統領の弾劾デモでは、キャンドルの光が広場を埋め尽くし、暴力のない平和的なデモとして海外にも注目されました。
しかし最近では、キャンドルが「危ない」「すぐ消える」といった理由から、K-POPのペンライト(韓国では応援棒と言います)が使われるようになりました。
カラフルな光で道が埋め尽くされ、「まるでコンサート会場みたい」と海外でも話題になったそうです。
また、応援棒やフラッグ、コスプレを取りれることで、「怒り」よりも「楽しさ」を重視するデモスタイルが広がりつつあります。
実際、「どうせデモをするなら楽しくやりたい」という声もあり、独特な文化に進化しているのがおもしろいところです。
筆者はソウルから少し離れたところに住んでいるのですが、筆者が日本語を教えている生徒たちは日本語授業の後、「このあとデモに行ってきます」と楽しそうにしているのがカルチャーショックでした。
実際の韓国人の意見
現在、多くの韓国人が大統領の退陣を望んでいます。最近の調査では、7割以上が大統領の早期辞任と裁判を求めているとか。
特に保守派持者のなかにも「今回の大統領の判断には納得できない」と話す人が少なくありません。ただ、一部では依然として大統領を支持する声もあります。
たとえば、日韓関係改善の政策に共感する人や、民主党への抵抗感を持つ人たちです。
でも、そういった意見は社会のなかでは常に言いづらく、私のような外国人に対してのみ本音を話してくれる人が多い印象。
「外で話すと自分が攻撃されるから絶対に言えない」というのが、いまの韓国社会の現実のようです。
ただ、ニュースではそのような声を取り上げることは少ないですね。
今回のデモを通じ、政治離れしていた若者のデモ参加、応援棒を使ったカラフルなデモなど、韓国のなかでもデモのイメージが覆されたようです。
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