パートナーがスマホをさっと裏返す。通知が来るたびに席を立つ。ロックの解除方法がいつの間にか変わっていた…。
「気にしすぎかな」と自分に言い聞かせながらも、胸のどこかにじわじわと広がる違和感。あの感覚、覚えがある方もいるのではないでしょうか?
マッチングアプリやSNSが当たり前の日常ツールになった今、出会いの形は大きく変わりました。それと同時に、「どこからが不倫なのか」という境界線もまた、以前よりずっと曖昧になってきているような気がします。
今回は、PIO探偵事務所が30〜60代の既婚男女1,004名を対象に実施した「マッチングアプリ・SNSの普及による不倫の境界線」に関する調査をもとに、デジタル時代の夫婦関係に潜むリアルな不安と、多くの人が抱えながらも誰にも言えずにいる悩みを深掘りしていきます。
「登録しただけ」でも不倫?7割以上が厳しく線を引く現実
まず多くの人が気になるのが、「そもそもどこからが不倫なのか」という問いではないでしょうか。
同調査では、「既婚者がマッチングアプリに登録することは不倫に該当すると思うか」という問いに対し、「強くそう思う」(33.5%)と「ややそう思う」(40.1%)を合わせると、実に7割以上が「不倫に該当する」と回答しました。
肉体関係はおろか、まだ誰とも会ってさえいない。ただ登録しただけでも、7割を超える既婚者が「それは裏切りだ」と感じているのです。
なぜここまで厳しく見られるのでしょうか?それはおそらく、マッチングアプリの「目的」が関係しています。
マッチングアプリとは本来、新しい出会いを求めるためのツールですよね。それにも関わらず既婚者がそこに登録するという行為そのものが、「配偶者以外の誰かとつながりたい」という意志の表れとして受け取られるのでしょう。
行動ではなく、意志に対して人は傷つくということが痛いほどにわかる結果となりました。
会ってもいない。手を触れてもいない。それでも不倫?

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では、実際にアプリやSNSで異性とメッセージをやり取りすることはどうでしょうか。
「配偶者がマッチングアプリ・SNSで異性とメッセージのやり取りをすることは不倫に該当すると思うか」という問いにも、同様に7割以上が「該当する」と回答しました。
直接会ってもいない。手を触れてもいない。それでも、画面越しの個人的なやり取りを「不倫だ」と感じる人がこれほど多いという現実。
「ちょっとした連絡だから」「仕事上の知り合いだから」と言い訳できてしまうのがデジタルコミュニケーションの特性でもありますが、受け取る側の心が傷つくという意味では、リアルな接触と変わらないのかもしれません。
夫婦の信頼は、体の距離よりも、心の距離で測られる。この調査結果は、そんなことを示唆しているように思えます。
オンラインの出会いは、どこへ向かうのか
「でも実際のところ、みんなどうなの?」と気になる方もいるでしょう。
調査によると、「結婚後にマッチングアプリ・SNSを通じて異性と知り合ったことがあるか」という問いに対し、約8割は「どちらもない」と答えている一方で、5人に1人は結婚後もオンライン上で新たな異性と接点を持っているという現実があります。
さらに注目したいのが、「自分だけがある」という回答が「配偶者だけがある」のおよそ2倍という点。これは何を意味するのでしょうか?
パートナーが誰かと知り合っていても、自分がそれを知らないケースが相当数あると考えられます。「知らないだけで、実は…」という不安が頭をよぎる方もいるかもしれません。
そして、オンラインの接点がリアルな関係に発展するケースも、決して少なくありません。
ネット上で異性と知り合った経験がある人のうち、「自分だけがある」と答えた層では53.8%が実際に会ったことがあると回答。
つまり半数以上が、オンラインの出会いをオフラインへと発展させているということです。「配偶者だけがある」と答えた層でも29.6%が、「両方ある」では16.6%が実際に対面していると明らかになりました。
画面の中だけで完結していると思っていた関係が、実はそうではないかもしれない。その可能性が、数字によって浮かび上がってきます。
もしかして…配偶者を疑った経験がある?
「自分の配偶者が不倫をしているかもしれない」。そんな疑念を抱いたことはありますか?
実際に同調査では、約17%、つまり5〜6人に1人が「配偶者の不倫を疑った経験がある」と回答しました。
決して少ない数字ではありません。日常の中でふとした瞬間に感じる違和感。言葉にできない不安。それを抱えながら、「まさかね」と自分を落ち着かせた経験のある方は、あなたの周りにも確実にいるはずです。
では、何が疑念の引き金になったのでしょうか。
スマホには自分が知らない世界が広がっている恐怖
「配偶者の不倫を疑ったきっかけ」として最も多かったのは、「帰宅時間が遅くなった、外出が増えた」(35.6%)でした。これは昔から変わらない、行動の変化への敏感さと言えます。
しかし注目すべきは、2位と3位。
「SNSやメッセージアプリの通知・やり取り」(32.2%)が2位、そして「スマートフォン操作時の不審な行動(隠す、ロック解除方法を頻繁に変えるなど)」(31.6%)が3位と、上位3項目のうち2つがスマートフォン関連となりました。
帰宅が遅くなることよりも、スマホの扱い方の変化が気になる…これはまさに現代ならではの傾向ですよね。
スマートフォンとは、その人の人間関係のすべてが詰まったデバイス。連絡先、メッセージ、写真、位置情報…パートナーのスマホには、自分の知らない世界が広がっている可能性があります。
だからこそ、「急に画面を伏せた」「お風呂にまで持っていく」「ロックを変えた」といったわずかな変化が、心に深く刺さるのです。
気にしたくないのに、気になってしまう。その苦しさは、経験した人にしかわからないものがあります。
本当は見たくなかった…けど、見てしまった…

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疑念を抱いたとき、人はどんな行動をとるのでしょうか。
調査では、「配偶者のスマートフォンを本人に無断で確認した経験がある」と答えた人が2割弱(15.4%)いることが明らかになりました。
「不倫を疑った経験がある」割合(約17%)と近い数字であることも印象的です。疑念を抱いた人の多くが、その不安に耐えきれず、パートナーのスマホを確認してしまっている。そんな実態が透けて見えます。
これは責められることでしょうか?「見てはいけない」とわかっていながらも、確認せずにはいられなかった心の苦しさ。
「信じたい気持ち」と「確かめたい気持ち」の間で揺れながら、スマホに手を伸ばしてしまった瞬間の罪悪感と不安が、この数字の裏に隠れているように思えます。
明らかにしたくても…孤独な奮闘で心が疲弊
では、疑念を抱いた後、人はどう動いたのでしょうか。
配偶者の不倫を疑った経験がある人のうち、「自分で調べたり証拠を集めようとしたりした経験がある」と答えた人は53.5%と過半数を占めました。
相手を問い詰めることもできない。かといって誰かに相談する勇気もない。だから自分で何とかしようとする。その孤独な奮闘が、半数以上の行動パターンとして現れています。
しかし、自力での調査には限界がありますよね。
証拠を集めようとして逆に相手に気づかれてしまった、感情が先走って冷静に動けなかった、そもそも何を証拠とすればいいのかわからなかった……そんな声は、きっと少なくないはずです。
真実を知ることの怖さと、知らないままでいることの苦しさ。その狭間で、一人で抱え込み、心が疲弊していく。そんな状況に陥っている方が、実はあなたの周りにも存在しているかもしれません。
プロに相談したいけど…

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一人で明らかにするには、時間と体力など、難しい面がさまざま。そんな中、探偵や弁護士などの専門家に相談したという人はどのくらいいたのでしょうか?
「相談したことがある」と答えたのはなんとわずか33.3%。「検討したが実際にはしなかった」(15.5%)、「検討したことすらない」(51.2%)と、専門家への相談ハードルは依然として高い実態が浮き彫りになりました。
相談をためらった理由として最も多かったのが、「費用が高そうだったから」(42.2%)です。
「探偵に頼んだら、いくらかかるかわからない」「弁護士は敷居が高い」といったイメージが、行動を踏みとどまらせています。
続いて、「相談すること自体に抵抗があったから」(21.6%)、「自分で解決できると思ったから」(20.7%)という理由も上位に挙がりました。
プライベートな悩みを他人に打ち明けることへの抵抗感、「自分でなんとかしなければ」という思いは、「一人で証拠を集めようとする」行動とも重なりますよね。
誰にも頼れずに、ただ苦しみを抱え込んでいる人が、この数字の背景にいるということ。
また、「相談先がわからなかった」という声も上位となっており、そもそも「どこに相談すればいいのか」という情報不足が、問題解決の大きな障壁になっていることも見えてきました。
まとめ
今回の調査から見えてきたのは、デジタル社会の進化が、夫婦関係に新たな種類の不安をもたらしているという現実です。
もし今、パートナーへの不信感や見えない不安を抱えているとしたら、それは決してあなただけの問題ではありません。多くの人が同じように悩み、同じように苦しんでいます。
大切な関係を守るためにも、自分自身の心を守るためにも、「もしかして」という違和感は見て見ぬふりをするより、向き合った方が先の道が開けていくかもしれません。


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