たとえば、心のなかに色々な感情を抱えてしまっていて、顔を合わすのも嫌になったり、怖かったり、避けたかったりするようなとき。
たとえば、重要な取引先の人だったり、その人に会うということにすごく緊張してしまうようなとき。
たとえば、パートナーや彼氏彼女に対して、少し距離ができてしまい、相手にいつか怒りをぶつけてしまいそうに思えたり、このままだと関係性が悪くなってしまうように感じるとき。
このように、あなたにとって大切な人なのに、その人に対して何かネガティブな感情を抱えているときは、自分の感情を吐き出したり手放しておいた方が良いときです。
というのも、それがその人との関係を良好にしたり、その人との新しい関係を作るための有効な方法になるから。
また、特に対象になる相手があるわけではないけれど「最近なんだかしんどい」「とても苦しい」と感じるときも、感情を手放すと心が楽になることがあります。
これは、心はマイナスの感情を”感じる”から苦しいのではなく、実際にある感情なのに「感じまい」と頑張ったり、感情を”否定している”から苦しくなっているのです。
そして感情を手放そうとする時には、自分が何を感じているのか、本当はどんな気持ちでいっぱいなのか…と、正直になることがすごく大切。
とくに、自立している人や自分を強く律している人は、自分が何かを恐がっていたり、ずっと寂しさを抱えていたことなどは、知らなかったり、認めたくなかったりもします。
心の中に持っていて恥ずかしい感情や弱い感情などありません。
怒りでも寂しさでも悲しみでも罪悪感でも怖れでも、自分が感じている感情をまずは知ろうとしてください。
感情を手放し、心を落ち着かせる
それでは、実際に感情を手放していきましょう。
まずは、ゆっくりと座り、深呼吸をしてください。深く息を吸って、吐き出すときに体の力もいっしょに抜けていきます。
息を吐き出すたびに体のさまざまなところの力も抜けていきます。
肩の緊張が抜け、腕が自然に重く感じて、足や腰の力も抜けていきます。
身体も心もどんどんリラックスしていきます。
こころにもからだにも気持ちよさが広がっていきます。
ではいま、あなたがキラキラと輝く、きれいな砂浜に立っているところをイメージしてください。
目の前にはおだやかで、平和な海が遠くの方まで広がっています。
服を脱いで浅瀬に座り、海の水のやさしい波にからだをゆだねてみてください。
頭上を見上げると深く青い空が広がり、無限の宇宙に繋がっていることが感じられます。この世界に神さまが存在がするということを、心が信じるのを許してあげてください。
では、あなたの心のなかにある感情を認め、そして手放していきましょう。あなたのなかの怒りを認めてください。
そして、「もうこの怒りはいらない」そう口に出してください。あなたのなかにある、怒りという感情が集まってひとつの塊になっていきます。
そして、その塊が頭から飛び出して大空に高く吸い込まれていくのを見てください。
怒りの塊は遠くに遠くに、そしてちいさくちいさくなって、やがて神さまの手のなかで消えてなくなってしまいます。
清らかで透き通った海の水が、あなたのなかに入ってくるのを感じてください。そしてあなたの心のなかにある、罪悪感という黒い塊を溶かしていきます。
黒くなった水はあなたのなかからしみ出して、広大な海に薄まり、やがて透明に戻っていきます。
あなたのなかの黒い塊が、どんどん溶かされ、ちいさくなっていくのを感じてください。
今度は、あなたのなかにある心配や不安、そしてすべてのおそれを固めて大きな塊にしてください。それを、両手で抱えて神さまに差し出してください。
「私はもうこのおそれはいらない、私はこのおそれにもう惑わされない」そう神さまに伝えてください。
神さまはその大きな指でそのおそれの塊をつまみ取って、手のひらの中でぼっと消してしまいます。
神さまがこちらを見てやさしく微笑んでいるのを感じてください。
やさしく、あたたかい水が、あなたの全身に沁み込んできます。そのあたたかさは、女神さまの手のようにあなたの中にある寂しさを抱きしめてくれます。
そして女神さまの手は、あなたから悲しみを取り去り持っていってくれます。あなたはすべてを手放し、心のなかはおだやかで、平和で満ちあふれています。
感情を手放すこと。
それは日常生活で溜まったゴミや、いらないものを手放す作業に似ているように思います。いらない感情を手放すことを日々の日課にしてみてくださいね。
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