“ヤドカリくん”だった彼
編集H:ユミに話を聞くまえにショウにインタビューさせてもらって、ユミがショウと付き合った理由を尋ねたい気持ちが大きく膨れ上がっているんだけど…。
ユミ:うん、私もよく付き合ったなって思うよ(笑)。
編集H:「経験人数300人」っていってたけど、ユミはそんなことまで全部知ってたわけだよね?
ユミ:知ってたねぇ。きのう遊んだ女の子のことからその日の便のことまで、包み隠さず話すような人だからさ…。高校時代からショウの女遊びが激しいことは知ってたから、まさか自分が付き合うなんて思ってもみなかったよ。「ヤバい、こいつ…」って逆に思ってたし。
編集H:うん…。
ユミ:上京してからもショウは自分で家を借りずに、女の子の家を転々としてたからね。仲間内では“ヤドカリくん”って呼ばれてたよ。家電製品を持たず、リュックひとつで女の子の家に転がり込んでたから、付き合い始めたばかりのころもダンボール1箱分の荷物しか持ってなかった。
編集H:ユミの家にもリュックひとつで転がり込んできたの?
ユミ:いや…。元カノと「別れてきた」っていって、隣に部屋を借りてきたんだ。最初は「私のことは構わないで」「放っておいて!」って突き放したりもしてたんだけど。結局、私も当時付き合ってた彼と別れて、押しに負けた感じで付き合い始めちゃったんだよね。
浮気男のなかに見えた、本気の片鱗
編集H:そうだったんだ!でもショウの女癖を知ってて付き合うって、なかなか勇気がいることだよね?
ユミ:そうだね。でもああ見えて、彼は自分が大事にしている人のことは裏切らないし、とことん信じて尽くすタイプの人なんだ。だから大丈夫かなって。私がこれまでに出会ったどんな人よりも、私に対して真剣にぶつかってきてくれたから…。
編集H:どういうこと?
ユミ:私の考え方とか、大切な人たちとの付き合い方に対して、「それはよくない」「なぜ逃げてるんだ」って、厳しいことをいってくれた人は、ショウが初めてだったんだ。いわれた言葉のひとつひとつに気づきがあって、“厳しい人は、やさしい人なんだ”って思った。
編集H:確かに、どうでもいい人に対しては厳しいことっていわないかもね。わざわざ衝突を起こすのも面倒だし…。
ユミ:うん。当時の私は人と真正面から向き合えていないところがあって、それをズバリ指摘されて、目が覚めたというか…。
ショウの過去の女性遍歴を振り返っても、「行為を楽しんでいるのかな?」みたいなところもあったから、それであれば私に対してはそうではないだろうな、ほかの子たちとは違うだろうなっていう感覚はあったよ。
編集H:そっか、友達として長く付き合ってきたからこそ、見えてた部分もあるんだね。