平成29年2月に内閣府が行なった「平成29年度青少年のインターネット利用環境実態調査」(PDF)によると、スマートフォンを所有している小学生の割合は55.5%。なんと2人に1人以上がスマホを所有しているようです。
いまYouTubeなどの動画サイトには、子どもウケするおもちゃが出てくる楽しい番組や好奇心を刺激する知育番組、キャラクター・アニメ動画などが数多く上がっており、子どもに人気のYouTuberも存在します。
お出かけ時に「子どもが静かにしていてくれるから」という理由でスマホを見せることもあり、その年齢は0歳児から。スマホに親しむ年齢は、どんどん低下しているとさえ感じます(筆者の周辺では、のお話です)。
でも一方で、「こんなに小さいときからスマホを渡していいのだろうか」「1日の利用時間は決めるべき?」「子どもがスマホを見たがって困る…」「保育園や学校から帰ってきたら、まずスマホ」という悩みがあるのも事実。
スマホへの依存を避けるためになるべく触らせたくはないけれど、スマホを見せておけば家事がはかどるし、これからの時代にITリテラシーは必須となることが想定されるだけに、悩みながらもスマホを渡してしまうという声をよく耳にします。
わが家も、そんな「子どもとスマホの関係」に悩んでいる家庭のひとつ。
「見せない」「渡さない」と決めてはいないものの、子どもがスマホ依存にならないための付き合い方を模索していました。
そこで、日本初のネット/スマホ/ゲーム依存回復支援サービス「MIRA-i」の森山沙耶さんのセミナー「ネット/スマホ/ゲーム依存をいま防ぐ〜子どものみらいのために〜」に出席してきました。
今回は森山さんに伺った、セミナーで学んだ「子どもがスマホ依存にならないためにはどうすればよいのか」をご紹介します。
スマホ・ゲーム利用時間は学習能力に直結していた?
「ゲームばっかりしていたら、成績が落ちるよ!」
そんな風に言われながら育った方はいませんか?私が育った家庭は「ゲームは悪」とばかりに、ゲーム時間を厳しく制限されていました。
現代ではゲームがネット全般に置き換わっているのかもしれませんが、驚くことに「ネットばっかりしていたら、成績が伸びない」というエビデンスはしっかりと存在しているようです。
森山さんは、東北大学の川上教授の研究結果(PDF)から次の3つの衝撃的事実を示してくれました。
- スマホを長時間使用すると、いくら勉強していても成績が下がる
- 1時間以上のスマホ利用は成績が伸びない
- スマホを使うのをやめると成績が上がる
また昨今ではメディアなどを通じてSNS依存やスマホ依存の深刻さが取り上げられることも増えていますが、2017年の厚生労働省の調査で「ネット依存」が疑われる中高生は推計93万人にもおよび、7人に1人の割合になるのだとか。
7人に1人というと、30 人のクラスに4〜5人にいる計算になり、もはや人ごとではありませんよね。
WHO(世界保健機関)も2019年5月、ゲーム障害をギャンブル依存症などと同じ精神疾患として認定するほど、ここ5年ほどの間に急速に増加しているようです。
子育てをするうえで、もはや軽視できないスマホ・ネット・ゲームと子どもとの関係。親が気をつけるべきことはどんなことなのでしょうか。また家庭で利用ルールを設ける際のポイントは何かあるのでしょうか。