年齢が低いほど「依存症」になりやすい
その前に、なぜスマホやゲームに依存する人が後を絶たないのかを考えてみましょう。あなたが仕事以外の時間でネットを見たり、ゲームをしたりするのは、どんなときでしょうか?
ストレスを発散したり、何気なく時間をつぶしたり、ほしい情報を得たり。使い方は人それぞれですが、ネットやゲームをしていないと「不快」な気持ちが生じてしまったら、依存状態に黄色信号が灯り始めたしるしです。
そこから、ネットができないことがストレスになり、イライラし、ついついやり過ぎてしまう…という依存ループに入っていってしまいます。
特に子どもの脳は、欲求や衝動をコントロールする「前頭葉」が成長段階にあるため、依存状態に進行しやすいそうです。
ネットの時間が長くなればなるほど、身体面、心理面、その他の部分にあらゆる面に問題が生じ、日常生活がままならなくなっていく…そうなる前に対策を打っておきたいですね。
ネット利用時間は平日60分未満、休日120分未満に
WHOは、次の3つの条件に当てはまる状態が1年以上続くことをゲーム障害の主な診断基準に設けています。
- ゲームをする時間や頻度を自分でコントロールできない
- 日常生活でゲームを他の何よりも優先させる
- 生活に問題が生じてもゲームを続け、エスカレートさせる
また森山さんは、ネット利用時間の目安も示してくれました。
香川県が制定に向けて動いている子どものネット・ゲームの時間を制限する「ネット・ゲーム依存症対策条例」が物議を醸しましたが、この資料を見る限り、ある程度は家庭内で制限を設ける必要があるのではないかとも思ってしまいます(報道を見たとき条例はやりすぎではないか…と正直思いましたが)。
中学生で平日60〜75分未満、休日120分未満ということですから、未就学児や小学生は脳の発達といった観点から見ても、それ以下に押さえておくべきかもしれません。
ただし、親がその目安の時間にとらわれすぎないことも大切です。時間を守れないことを叱責するなど否定的な注意を与えすぎると親子関係が対立的なものになり、子どもが不満を溜めたり、反発したりなど逆効果にもなりかねません。