ネットの世界以外に「居場所」をつくってあげて
そもそも、ネットやゲームの世界には人を惹きつける何があるのでしょうか。
森山さんはオンラインゲームにはまってしまう原因のひとつとして、「ネットの世界が心地よくなってしまう」ことをあげています。
家族や友人との人間関係や勉強、進路など現実の世界でうまくいかなくても、ネットの世界で注目を集め、称賛されたり、認められたりすることで、現実逃避してしまうということが起こるようです。
ということは、ネットばかりしている子を前に「ゲームばかりしていてはダメ!」「いい加減にゲームはやめなさい」と注意したところで、もっとネットの世界に引き込まれてしまうことになってしまいますよね。
親がやるべきことは、「現実世界でその子を認め、居場所をつくってあげること」なのです。
ネット依存は「もっと構ってほしい」気持ちの表れ?
そこで森山さんがオススメしているのは、「好ましい行動のレパートリーを増やす」こと。
子どもの「肯定的な行動」に注目し、注目されたい、認められたい、ほめられたいという欲求を満たすことで、その行動が再び起こりやすくなり、ネットをするよりも、好ましい行動をとることの頻度が増えていくそうです。
森山さんいわく、「注目」には、注意する、叱る、怒鳴る、ため息をつくなどの「否定的な注目」と、ほめる、認める、笑顔を返す、うなずくなどの「肯定的な注目」の2種類があり、子どもは親の関心を得ようとするあまり、好ましくない行動をしてでも注目を得ようとすることがあるようです。
そう考えると、多少「赤ちゃん返り」に近いところがあるのかもしれません。
ネットばかりになっているのは、もっと構ってほしい、自分を見てほしい、愛情を注いでほしいということの裏返しであるとも考えられます。
「ネットでしか認められない」「楽しいこと、嬉しいことがない」と思わせないためにも、好ましい行動をしたときにはしっかりほめて、認めてあげたいですね。
肯定的な注目の与え方
ほめる:「もう宿題をやったの?えらいね」
励ます:「あともう少しだよ、がんばれ!」
その行動に気づいていることを知らせる:「お風呂に入ったのね」「食器を片づけてくれたのね」
ほほえむ: 同時にVサインやOKサインを示すのもよい
感謝する:「お皿を運んでくれてありがとう」
興味や関心を示す:「難しそうな課題だね」「どんな内容を勉強しているの?」
そっと身体に触れる(嫌がる場合はしない):肩に手を置く、ハイタッチする
次の活動に誘う:(スマホを触ろうとした時に)「これやってくれる?」「おやつでも食べる?」