ポリスレポート受理のはずが、DV裁判開廷に
「それでね、あなたの裁判日もう決まったの。5日後だから出廷してね」
「…What?ポリスレポートの発行に、特に裁判は必要ないってきのう言っていましたよね?しかも私が要求しているのは携帯代の弁償料金の裁判じゃありませんよ!」
「いやいや、この裁判はあなたの携帯の被害に関することではなくて、私たち警察がDVを発見したことに起因しているの。あなたは彼からDVを受けたとは思っていないんだろうけど、この国では物を利用して人を脅かしたりすることもDVと認めます。
事実、きのうあなたは彼に恐怖感を覚えたでしょう?そして警察はDVがあった事実を裁判所に通告しなければいけない義務があるのです。これはあなたの希望による裁判ではないの。
5日後の裁判、出廷してね。特に問題がなければすぐ終わると思うから。これから私たちはジェームズに裁判の出廷要求を告げに行くから、あなたからこの件については連絡一切しないでね」
血の気が引くというのはこのこと。ある意味、DV意識が低い日本ならただの痴話ケンカとして「気をつけてね。このあと何かあったらご相談ください」程度で済む話になりそうなのに、まったく考え方がこの国では違うのだと、カルチャーショックを感じた瞬間でした。
DV被害者への手厚い対応
警察署からの帰り道、もはや携帯代金の弁償なんてどうでもよくなっていました。【DV 海外 裁判】にまつわる情報がないか“Google先生”に幾度も尋ねましたが、体験談が出てきません。
デジタル世代を生き抜いてきた。だいたいのことはインターネットでヒントが得られる。だけど今回は違う…。そもそも事件発生してから24時間も経っていないのに裁判が決定しているってどれだけ段取りがいいんだ!?
「ケンカの延長がDVと認められてしまうなんて、面倒なことになったなぁ…」と思いつつ仕事中にふと外に目を向けると、めずらしくパトカーが停まっているのを発見。そして帰宅時と深夜遅くにも家の目の前にはパトカーが。怪しい車には職務質問をしている。もしかしてパトロールしてくれている?
ちょうどそのころ私のもとには、ジェームズから裁判出廷通知を受け取ったという報告とともに、関係を修復したいという旨のメッセージが届いていました。