子どもの成長とともに親の悩みの種となるのが、「性についてどう伝えていくか」ではないでしょうか。見て見ぬ振りや家庭内でタブーのようにしてしまうのはいけません。
しかし性について伝えることは、子どもを守りつつ、正しい知識を持たせ、被害者にも加害者にもならないためにも大切なこと。では何をどう伝えたらいいのか…家庭における性教育についてお届けします。
1.性教育の目的は?
家庭によってタイミングは違うと思いますが、子どもの素朴な疑問に向き合うときがスタートです。単に生殖や避妊法を教えるものではありません。性教育のゴールは、「子どもが自分らしく生きて、性に関わる選択を自分でできるようにすること」です。
2.タイミングはいつ?
性的な関心に目覚めていない時期に伝えるほうが、思春期に伝えるよりも、反発がありません。子どもから性に関する素朴な疑問を尋ねられたときは、性教育のタイミング。その疑問に対し、隠したりごまかしたりせず、きちんと向き合い、本当のことを伝えましょう。
このときの親の態度によっては、子どもが「性のことは聞いてはだめなこと」と捉えてしまう可能性大。すると将来、性に関することで何か困っても親に相談する可能性は低くなります。子どもが尋ねてきたら、チャンスと捉えて絵本も活用しつつ科学的に教えてあげられるとなおよいです。
3.どう答える?
子どもからの質問にどう答えればいいか迷うときには、「お!いい質問だね、大事なことだからちゃんと調べて答えられるようにするね」と伝え、後からしっかりと答えれば問題はありません。未就学児の場合、とにかく最初は、
- 自分の身体は自分だけのもの
- 人の身体はその人だけのもの
- 嫌なことは「嫌」という
- 勝手に触るのはよくない
- じろじろ見るのはよくない
ということを伝えておくことが大切です。また、普段から子どものちょっとした疑問にもはぐらかさずにしっかりと答えましょう。
「おちんちん」「おっぱい」「おしり」などの単語が子どもの口から出たときはチャンスです。人前で大声でふざけて叫ぶ場合は、「そういう話を聞きたくない人もいるんだよ」と伝えるチャンスですし、自分の性器を触っているときは、大事な場所であること、人前でしないことを伝えるチャンスです。
また、お友達のスカートをめくったり、ズボンをずらしたり、女の先生のおっぱいを触ったり男の先生の股間を触ったりするといった悪ふざけをしてしまったときは、「人の身体はその人だけのものだから、どんなに仲の良いお友達にも勝手に触ったり見たりしてはいけない」「同様に自分の身体を勝手に触らせたり、見せたりしてはいけない」ということを伝えましょう。