自分は何のために生きるのか
ビジネスの世界にとっぷり浸かっていたことで、競争に勝ち、大きな利益を上げることが「優れていること」であり、「尊敬されること」だと思い込まされてしまった──という男性(40代)に最近お会いしました。
この方は、勤務している会社の価値観を無意識に個人の私生活にも取り込んで生きてきた、といいます。
競争に勝ち、お金を儲ける、人に自慢できるような家を建てる、ということが常に頭の中にあり、いつの間にかそれが生きる目的になっていたのですが、あるとき「それは違うのではないか」と思い始めたそうです。
このことに気が付いて「自分は何のために生きるのか」と考え始めたけれど、答えが出ない。
そこで、私のセッションに来られた、というわけです。
自己尊重感を高めよう
この方だけでなく、私たちの社会全体に、競争に勝ち抜き、お金をたくさん稼いでいることが「すごい人、えらい人」という意識(価値観)がありますね。
知らないうちに私たちはその価値観に心を侵されている、と私は思っています。洗脳されている、といってもいいかもしれません。
内面を大切にする人にとっては、生きづらく感じる面があると思います。社会になかなか適合できない自分を否定的にとらえている人も多いのではないでしょうか。
自己尊重感を高め、本来の自己を取り戻してくると、「私は私、無理に合わないものに合わせなくていい」という生き方ができるようになります。他者は他者、社会は社会と、区分けができるようになるのです。
「他人軸」や「会社の利潤追求の軸」で生きるのではなく「自分軸」で生きられるようになって、生きている喜びを味わえるようになります。
自己尊重感(肯定感)を育てることは、すべての人にとって大切で必要な意識ですが、生きづらいと感じている人は、特に自己尊重感を高く持つことを「自己目標」にされると、生きやすくなります。
否定的にならず、自分らしい人生を歩んでいただきたいと思います。そのプロセスで、「何のために生きるのか」の答えは、命が教えてくれます。
付け加えますが、私は「お金を悪いもの」といっているわけではありません。お金そのものに善も悪もなく、お金をどのようにして得るのか、そして、得たお金をどのように使うのか、それによって善にも悪にもなりますし、人助けや社会貢献にもなるものです。
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