それからの僕たち
一緒に暮らし始めてから1年ほどで、彼女とはフォトウェディング、昨年には彼女と連帯債務で住宅ローンを組んで念願のマンションを購入し、順調にふたりで暮らしています。
あくまで僕らにとってですが、取り立ててドラマチックなことは起きなくてもこうして穏やかに平凡に暮らして居られるのは、周囲の理解が欠かせませんでした。
もちろん、周囲が理解してくれるような人たちであったことには感謝しきれません。それと同時に、理解が得られるようにとひとりひとりに向き合おうと思った際、僕は彼女がずっと向き合ってくれていたあのまっすぐな姿を何よりの見本にしました。
思えば最初に付き合ったときも、同棲も、フォトウェディングも、マンションも、すべて僕からいい出したことで「彼女の手を放さない」ため。ここまで彼女を引っ張ってきてしまったことを、独りよがりだったのではないかと思ったこともありました。
そんな考えに、「提案したのはあなただけど、選んだのは私」といい切ってしまう強さを彼女は持っていて、パートナーとして相変わらず頼もしい存在です。
こうして僕らのいままでを改めて文章にすると、異性愛者のカップルの出会いから結婚、その後と重なるトピックスも多いのではないかと思います。もちろん、法的な結婚とフォトウェディングは同じとはいえないほど、違いがあまりにも多いのも事実です。
しかし気持ちのうえでは異性愛者のカップルと何も変わらない。それはなぜかといえば、たとえ自分の性のありかたに悩んだとしても、彼女というひとりの女性に恋心や愛を寄せることには疑問を抱くことはなかったから。僕はただ、彼女の手を放してはいけないと思った。その想いは、同性愛も異性愛もきっと変わりません。
同じように愛する人の手を放さないでいたい人と思っている人や、自分の性がふわっとしているとか、少し生き難さを感じている人に寄り添えたら幸いです。
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