韓国人が日本語を勉強する3つの理由
いまどきの韓国人は、なぜ日本語を勉強するのでしょうか?その理由は主に3つあります。
1.会社で昇進するため
私は現在、韓国某大手企業の社員を生徒として多く担当しているのですが、この企業では、昇進する条件のひとつに、外国語の資格の点数が含まれます。昇進するためには、英語、日本語、その他の言語のいずれかで一定以上のスコアを取らなくてはならないのです。
業務上外国語を使用しない部署の人などは、韓国人が比較的習得しやすい日本語を選ぶ人が多いようです(聞いた話だと、日本語を選んだ方が、効率的に点数が取れて有利なのだとか)。
その他の日系企業で働いている人も、昇進するために、日本語のスピーキング能力を測る試験であるSJPTやJPTでスコアを取得する必要があるため、それを目標に日本語教室に通う人が多くいます。
- SJPTのサンプル問題はこちら
ほかにも、試験でスコアは取ったけれど、実際に会議でうまく話せない、電話やメール対応を日本語でできるようにしたいという実用的な問題解決のための勉強をする人たちもいます。
いま韓国の多くの企業では、年功序列が廃止され、成果を出す人、条件を満たす人から昇進していくシビアな社会になっています。仕事と語学の勉強を両立する人たちは、社会で勝ち残るために学び続けているといっても過言ではありません。
日韓関係がいいとは言えない状況下でも、韓国企業にとって日本との取り引きや日本国内のシェアは依然、重要であるため、ビジネスを円滑に運ぶために日本語を習得したい、しなければならないという人も多いです。
2.日本で就職するため
新型コロナウイルスが出現する前は、“日本就職”に特化した授業の日本語上級クラスを担当していました。ここに通う人たちは、日本で就職するために日本語を勉強しています。
私が携わったプロジェクトは、「3カ月で日本に就職する!」という目標を掲げたもので、3カ月後には本当に、クラスの生徒のほぼ全員が、日本の就職先を見つけました。理系の人はエンジニア、文系の人はホテル・観光など外国語を武器として働くサービス業が多かったです。
こうしたクラスで学ぶ内容は、資格のための語学はもちろん、ビジネス会話、日常会話、面接対策などです。生徒たちは1日6時間以上の授業を受けたあとでも、さらに教室に残って勉強していました。3か月で必ず成果を出さなければいけないので、教師側も生徒側も必死でした。
しかしそのおかげでお互いに絆のようなものができ、最後の授業で行ったパーティーは大いに盛り上がりました。個人的には、この授業が一番精神的にも体力的にもつらかったです。もちろんその分、やりがいはありました。