3.かっこいい事業で起業しようとしない
やっぱり会社を辞めて起業するのですから、華々しく「さすがー!」と思われるような事業を立ち上げたいと思うんです。
でも、ええかっこしいマインドは起業の成功の妨げになります。
私が証券アナリストだった時代。起業ネタを考えていたときに、「洋服ブランドなんて出すのどう思う?新卒とベテラン向けの仕事着はあるけど、その間のアラサー世代の仕事服がないし、売れないかな?」と友達に相談したところ、「あのねー、それは無理。私、友達にファッションブランドオーナーいるけど、すごいコネを駆使して立ち上げているし、みっちゃんはまず3000円のシャツを1000枚売ってから言ってくれる?」と、何とも辛らつな言葉を浴びせられました。
そのときは「ちょろっと言ったアイディアでまだ本当にそうしようと動いているわけでもないのに、なんでここまで否定されるのかな」と思いましたし、「3000円のシャツ1000枚売って、それで『ビジネスです』って違うでしょ」とも思いました。
が、彼女の言葉はいまとなっては名言だと思っています。
そのころバリバリの金融マンだった私には、起業するなら自分の同僚に認められるような事業をしたいというかっこつけた思いがあったはずです。そんな私に、友人は「高くても素材がいいものとかいう前に、売り方を知ることが大事だから3000円のシャツを1000枚売ってみろ」というメッセージをくれたわけです。
もし、彼女が「えーいいアイディアだね、みっちゃんならその世代のキャリアウーマンのニーズもわかるしいいものつくれば絶対売れるよ」などと背中を押してきていたら…。
初期費用をかけて洋服をつくって店舗を借りて、「会社員を卒業してアラサーキャリアウーマン専門のアパレルブランドのオーナーになります。ショップは表参道にあります」とか言って大失敗してたかもしれません。私のええかっこしいマインドをへし折ってくれた彼女には大感謝です。
4.起業ネタは変わってもよい
起業に大事なのはネタより行動力というのは前述の通りですが、行動するうちに、新しいネットワークができ、新しい起業アイディアが生まれるというのもあります。また、既存事業から派生するというのもあります。
別に起業ネタを決めたら絶対それをやり切らなければいけないというルールはないのです。
だから、起業ネタ探しもリラックスしてほしいです。「絶対成功するビジネスだ!」という確信がなくてもやってみるというのでよいと思います。
私もこの方法で、最初はゼロスタートだったのが、いまは投資・執筆/メルマガ・経営アドバイザリー・アパレルなど事業が派生しています。全部違う分野に見えますが、実は本当に派生して広がった感じです。
5.起業の成功は売上3000万/利益300万円を出せるかどうか
起業はゴールではありません。起業は会社を登記するだけでできてしまうので、起業がゴールであればDay1で達成ですね。でも、本当の成功はその会社をどれだけ存続させられるかです。
まずは年間売上3000万円、利益300万円くらいを目安に、それが達成できることが大事だと思います。
もし立ち上げた事業がどう頑張っても売上3000万円、利益300万円を達成できないと思ったならば、個別事業によって状況は違いますが、一般的には、それは事業として破綻していると認識したほうがよいかもしれません。軌道修正してほかのネタで再度事業を立ち上げるほうがよいと思います。
別に起業してから再度会社員復帰してもよいですしね。そういう人もたくさん知っていますし、全然恥ずかしいことでもなければ、難しいことでもありません。いまは1回やった起業経験も企業に認めてもらえる時代ですからね。
結論としては、初めての起業であれば、起業ネタは、
- 斬新である必要なし
- かっこいい必要なし
- 二番煎じでOK
- 途中で変更可能
ということになります。なので、事業を立ち上げて継続することを目標に、起業するのがよいと思います!頑張ってください。
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