こんにちは。韓国在住歴3年、日本語教師でライターのHAZUKIです。Webメディア「by them」で、韓国の今を切り取り、生の情報をお届けしています。
きょうは、「韓国人が結婚するまでしないこと」を2つご紹介します。逆にいうと、この2つは「結婚してから初めてすること」でもあります。両方、日本の結婚文化とは少し異なります。
それでは、お隣の国・韓国の結婚事情をご覧ください。
韓国人が結婚するまでしないこと
1.新しい家や家具の準備
韓国では昔から結婚する際、男性がマイホームを準備して、女性が新居の家具などを一式準備するといった風習がありました。
いまは時代が変わり、ソウルをはじめ土地の値段が急騰したため、新居なんて夢のまた夢…という考えが浸透しつつありますが、結婚と同時に新居に引っ越すのが韓国人の憧れです。
土地の値段がまだ安定していた30年ほど前までは、結婚生活=新居での生活が当然だったので、一部のお父さんお母さん世代の人たちのなかには、いまの若者の考え(新婚生活で新居を準備しないこと)が理解できないとの話もあります。
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領にも少しその傾向があり、住居問題、土地の高騰問題に対して、「若者の状況や気持ちを理解していない!」という批判の声も一部から出ています。
最近は持ち家を準備することはできなくても、賃貸で新しい家を借り、新しい家具を一式そろえて新婚生活をスタートさせるというカップルが大半です。
周囲の日本人のカップルをみると、結婚前に同棲するための家を借りて、そこで新婚生活を送ったり、どちらかがもともと住んでいた家で新婚生活をスタートさせたりして、お金がたまって余裕が出てきてはじめて新しい家を探す、というのが一般的だと感じます。
韓国人は、こうした日本人の家事情を「新婚生活なのに、もともと借りていた家に住むなんて寂しい!」と思ってしまうようですよ。
不景気のなかで生まれ育ったいまの日本の若者たち、“さとり世代”の人たちには欲がなく、家や車などに興味がないといわれています。
韓国の経済状況も日本と似ていますし、最近はコロナ禍や時代の変化もあって新居の準備をスキップするカップルも多いようですが、マイホームに興味がある、いつかはマイホームがほしいと考える若者が日本よりもかなり多いと感じます。
2.料理や掃除などの家事
日本語教室の生徒さんに聞いた話では、韓国の若者の多くは結婚するまで家事をしないそうです。
親世代までの韓国は、かなり男尊女卑が根強く残っている社会でした。結婚したら、家事は女性、子育ても女性、女性は男性の家族のために一生懸命働かなくてはいけないといわれ、女性だからという理由で苦労した人も多かったようです。
そのように大変な思いをした母親たちが、「自分の娘も結婚したら、嫌でも辛いことをしなければならないんだから、せめていまだけは楽をさせてあげたい」という気持ちから、子どもたちに家事を一切させなかったから、というのがその理由です。
日本の若者は、母親のお手伝いをしながら料理や掃除などの家事などを自然と学んでいくことが多いと思いますが、いまの韓国の若者にはそうした経験があまりありません。
こうした背景もあり、結婚後も日常的に実家からお惣菜がたくさん送られてくる家庭も多いようですよ。
先日、年配の生徒さんからいただいた手作りの梅干し。梅干しを食べるのは本当にひさしぶりで、食べたらなんだか泣いてしまいそうになりました。
この生徒さんは、韓国で日本料理教室をされているかたで、日本の地理や料理にも詳しく、使っている食材や調理道具もすべて一級品でこだわりを感じます。
いまの韓国の若者たちからは、この生徒さんの世代とはまた違った家事様式が生まれてくるんだろうな…と、おいしい梅干しをいただきながら思いました。
結婚の文化も時代とともに移り変わっていくもの。コロナ禍でまた、これまでとは違う結婚様式が日韓ともに生まれてくるのかもしれませんね。
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