自己表現の幅を広めるために
まだまだ女or男の社会では、自己表現できる環境をつくるために個々が認識することから始める必要があります。筆者が考えた、一人一人がいまからできることを紹介します。
1.悩んだら「さん」付け
「女の子にはちゃん付け」「男の子にはくん付け」と幼稚園のころから自然と学んでいたことでしょう。
性別による刷り込みは、十分な思考能力が備わらない幼少期からすでにあり、そのまま大人へと成長していくのです。
最近、オンラインでの勉強会やイベントが増えてきましたが、はじめましての人に対して「さん」付けが絶対である会もいくつかみられるようになり、ジェンダーバイアスを取り払う動きが増えてきました。
もし、友達となる人と会ったら「なんて呼べばいい?」と気軽に聞くのもいいですし、聞くチャンスを逃してしまっても、名前呼び、もしくは「さん」付けで呼ぶことを意識してみてください。
2.「妻」「夫」「女子・男子生徒」のような無駄な表現は取り払う
既婚の女性と話すとき、つい「ご主人は〜」と言ってしまったことはありませんか。
昨今、ジェンダーについて議論されるようになり、いままで当たり前に使ってきた言葉の暴力性に気づく人も増えてきました。
インクルーシブ(包括的)な表現を選ぶことは、ジェンダーバイアスを取り払う一つの有効な手です。
たとえば、配偶者を示す「妻」「嫁」「家内」「夫」「旦那」「主人」は、男性優位的な意味と捉えられる場合もあります。そういったネガティブな意味合いを含む表現を使う代わりに、相手の名前で呼ぶように心がけるといいかもしれません。
また、「理系女子」「女子/男子生徒」「女子力」のような言葉に関しても、ジェンダー的な表現を含む言葉を選ぶのではなく、「生徒」「理系」「自分らしさ」と言い換えることを心がけてみましょう。
3.SNSでシェアする
私たちは、子どものころから無意識のジェンダーバイアスを背負わされて過ごしたため、気づかぬうちに差別的であったり男性優位的な発言をしてしまうことがあるかもしれません。故意的でないとはいえ、相手が傷つくということは何か問題視すべき点があるはずです。
社会問題に関心を寄せている人でも、長年構築されてきたジェンダーバイアスが潜む社会で、100%差別していないとは言い切れません。
それらに気づくために、まずは意識的に社会問題に目を向けること。そして、目にした情報をSNS上でシェアすることが身近でできることでしょう。
そうすることで、いままで気づかなかったことにハッとしたり、反省する人が出てくるかもしれません。問題可視化のためにアクティビストになる必要はなく、RT、記事の共有、話題に出すなど、小さなアクションを実践するだけでも十分なのです。
Sakumagのアクション集『We Act!』は、社会と個人を結びつけ、私たちがアクションできることをリスト化しています。
もし普段の生活でモヤモヤした出来事に出会ったら、この本を読み返して自分に何ができるかを参考にしてみるといいかもしれません。
現社会では、性別により自己表現できなかったり、好きな選択肢が狭まってしまうなど、さまざまな障壁があります。
ジェンダー問題は女性やセクシュアルマイノリティに焦点を置かれがちですが、もしかしたらあす、身近にいる大切な人、自分にも関わってくるかもしれません。他人ごとではなく自分のこととして、向き合ってみましょう。
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