家庭裁判所で行われる離婚調停は、離婚についてこれ以上歩み寄りが見られないときに使える制度。言い換えれば、顔を合わせることすら苦痛になるほど関係がこじれている状態です。
そこまで進んでしまった夫婦には、乗り越えられない大きな溝が横たわります。逆に、調停どころか離婚の気配すら見えない夫婦には、お互いの愛情を受け止め尊重する姿勢が見えるもの。
夫婦関係でよく相談を受ける筆者は、離婚調停についても耳にする機会が多く、また離婚調停も30件以上見てきましたが、その実態に驚きます。今回は、そんな筆者だからわかる、円満な夫婦が「これはやらない」というものには何があるのか、お伝えします。
朝夕の挨拶をしない
朝起きたら「おはよう」と言い、寝る前は「おやすみ」と声をかける。同じ家に暮らしていても、日々の挨拶は省略していいものではありません。
距離が近いからこそあえて言葉にするのは、時間の区切りを大切にしたいからです。愛情の冷めた夫婦の場合、自分から挨拶をする、また返すことも苦痛になります。
会話のきっかけにもなる挨拶が遠ざかることで、他人行儀な空気は増すばかり。
円満な夫婦はお互いの存在をポジティブに受け入れているので、いつだって朝は笑顔で「おはよう」と口にすることから始まります。
相手の状態を気にしない
会社員なら、突然の残業が入ったり休日出勤の必要が出てきたり、帰宅の時間が狂うこともありますよね。
互いに信頼のある夫婦は、相手を心配させたくないので変更があればすぐに連絡します。
愛情の冷めた夫婦は相手の状態に関心がなく、連絡なしで帰ってこないときも平気。むしろ家にいないことでほっとするなんて、悲しいですよね。
ともに暮らすパートナーがいまどんな状態か、気にしなくなると関係は赤信号。心配しないだけでなく、自分の知らないところでトラブルが起こっていても関知しない姿は、夫婦とは呼べません。
予定を確認しない
週末に家族でお出かけする、または個人的な用事で出かける予定がある。仲良しの夫婦は平日でもお休みの日でも「一緒に過ごすのが当たり前」のため、予定をしっかり伝え合い、計画を立てます。
愛情の冷めた夫婦は、そもそもふたりで同じ時間を過ごすことを避けるため、スケジュールを伝えないばかりか相手についても確認しません。
空白の時間を放置することで、相手が浮気や不倫など別の異性に気が向いているとしても気が付かないリスクがあります。
夫婦仲が円満だと、何かをするときも「一緒に」とまず考えつき、他人が入り込む隙間がないのですね。