「好物」は変わらないけれど
「仕事や家事をがんばってくれる夫のために、週に2回は晩ご飯で夫の好物を作ります。
昔からおいしいと言ってくれるメニューにユーリンチーがあって、刻んだネギの量やお酢の加減など、毎回しっかり考えていたつもりでした。
日中すごく暑かった日、夏バテ防止にといつものように気合を入れて作りテーブルに並べたのですが、夫の箸が進んでおらず『きょうは暑くて疲れたよね、大丈夫?』と声をかけました。
夫はしばらく黙ってから、『ごめん、ユーリンチーのお酢がだいぶ酸っぱくて、食べられない。前も伝えたと思ったのだけど…』と、言いにくそうに口を開き。
そういえば、前回『もう少しお酢を少なくしてくれたらうれしい』と言われていたのに、きょうも『この味で間違いない』と一方的な思い込みで作っていました。
これがきっかけで、夫からはほかにも『柔軟剤の匂いがキツいと言ったのにそのまま』『お弁当のご飯の量を減らしてほしいと言ったのに変えてくれない』など、言葉をスルーし続ける私への不満が出てきました。
夫の伝え方はいつも優しくて、何か言うときは『いつもありがとう』とも伝えてくれるので、それに甘えて内容をちゃんと受け止めていなかったのだなと気がつきました。
夫とはうまくいっている、私はがんばっていると思っていたけれど、実際はちょっとした提案でもまともに聞いていなくて、反省しましたね…。
それからは、何かするときは一呼吸置いて夫の言葉を思い出すようにしています」(女性/40歳/金融)
尽くし型の妻にありがちなこんなケースは、夫の言葉を聞いているつもりで自分の感覚ばかり優先してしまうのが問題といえます。
感謝を伝えつつ控えめに希望を伝えてくれているのに、覚えていないのは自分のやり方のみを信じている証拠。これでは、希望を伝えたい夫のほうも困りますよね。
うまくいっているのは夫の我慢があったからと知るのはショックですが、拒絶ではなく提案なら、夫の気持ちをしっかりと見る余裕を持ちたいところ。
「いつもありがとう」にとらわれるのではなく、お互いの気持ちを受け入れることまで考えたいですね。