面倒くさくなっていただけ
「昔から記念日にこだわる妻には、誕生日や結婚記念日を忘れずにしっかりお祝いすることを心がけていました。
妻もご馳走を作ってくれたり高級ブランドの腕時計を贈ってくれたり、『ふたりでお祝いできるって幸せよね』といつも笑顔で言ってくれて、『でも、毎回用意するのは大変でしょう。無理しないでね』と気遣ってくれることもありがたいと思っていました。
正直に言えば、仕事は忙しいし家事も分担しているしで、結婚記念日のプレゼントなどを考えるのは面倒くさいとは思うのですよね。
妻の言葉に甘えて花束だけ贈ったときも、妻はにこにこと受け取ってくれるから、『これからは花束でいいか』と思っていました。
しかしある年の妻の誕生日、ユリの花束を用意したときのこと。
大ぶりで香りもよく、妻も喜んでくれるだろうと思いながら帰宅すると、玄関で花束を見た妻が一言、『ユリはアレルギーが出るようになったって、言わなかった?』と鬼の形相。
妻は去年からユリなどでくしゃみが出るようになっていて、『しばらく飾るのは我慢しないとね』と言っていたことを思い出しました。
『ろくに私の話も聞かずに、どうせ面倒くさいのよね?買ってくれたことには感謝するけど、もう少し私の話も覚えたら?』と嫌味っぽく言われ、カチンときたものの忘れていた俺が悪いわけで…。
花束は外に置いて次に日に会社に持っていきましたが、妻とはしばらく冷戦状態、家のなかで会話をしない日が続きました。
妻には改めて謝り、誕生日プレゼントはスカーフを買い直しました。
同僚には『面倒な奥さんだな』と言われたけど、家のことや俺の仕事を支えてくれて、子どもたちのこともがんばってくれる妻への感謝だけは、忘れたくないです」(男性/38歳/営業)
毎年やってくる誕生日に結婚記念日。お祝いしたい気持ちは妻と同じでも、忙しければ毎回プレゼントなどを考えるのが億劫なのはわかります。
それは妻も理解しているから「無理をしないでね」と言えるのですが、そんな様子に甘えていると肝心な言葉をスルーしてしまう恐れも…。
妻が怒るのはアレルギーの出る花束を買ってきたからではなく、自分の言葉を夫が忘れていたからです。
夫の「面倒くさい」を目の当たりにするのは、妻にとって寂しいこと。本当の円満はお互いの努力があってこそで、油断せず妻への感謝を伝えたいですね。
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