趣味のウェアで…
「結婚して10年になる夫とは、子どもはいないけど夫婦ふたりで仲良く過ごしてきたつもりです。
私はランニング、夫はジム通いが趣味で、筋トレや日々の食生活のことなどいろんな話題があって喧嘩は滅多にしませんでした。
私はウェアで好きなブランドがあり、新作が出ればたまに買う程度ですが、購入する前に必ず夫に相談しています。
安いとは言えない値段なので当然と思うし、夫も自分のウェアを買うときは一言『いい?』と私に確認するのが常でした。
あるとき夏用の新作が出てほしいものがあり、夫に『これ、買ってもいい?』と聞いたら『何だか昔のギャルが着るようなデザインだな。こんなに見せるほど胸はないだろう』と笑われて、ショックでした。
『見せる胸があるかどうかじゃなくて。ああ、あなたがそういう目でジムでも女の人を見ているのね』と思わず言い返したら、夫もムッとしたように『失礼だな』と言って、険悪な空気になりました。
普段から冗談というか軽口はよく叩くけれど、好きなブランドの服を悪く言われたらいい気はしませんよね。
『もういいわ』と見せていたスマホを引っ込めたら、『よくない。俺がそんな目で女の人を見てるって、どうして決めつけるんだ』とまだ夫が食い下がり、面倒くさくなって『そんな話はどうでもいい。私は好きなウェアに勝手にケチをつけられたことが悲しいの』とはっきり言って、リビングを出ました。
寝室にいたら夫が追ってきて『悪かった』と謝ってくれたけど、こんなことで喧嘩なんて虚しくなりましたね」(女性/35歳/公務員)
普段は仲良くじゃれあっていても、「いつもの冗談」で済ませられない場面もあります。
茶化したつもりが嫌味を返されたら夫も嫌な気がしますが、それ以前に自分の言葉に妻は傷ついたと気がつくべき。好きなものを小馬鹿にされたら、自分だって悲しいはずです。
友達のような距離感で暮らしている夫婦に起こりがちですが、配偶者であっても自分とは違う人間です。
冗談を言っても大丈夫なときと素直に受け答えするのが正解のときと、きちんと考える姿勢が境界線になります。
些細なことでも言われる側の気持ちを想像することを、忘れたくないですね。