長い期間一つ屋根の下で暮らし、生活の大部分を共有していれば、夫婦ふたりきりの「デート」が遠のくのはよくあること。
仕事や家事、育児で忙しいと夫婦で向き合うことに「いまさら」のような気恥ずかしさを覚えますが、水入らずの時間もふたりの愛情を育てる大切な時間です。
ずっと一緒にいるからこそ、デートで非日常的な楽しみを共有するのは生活の彩りになります。円満夫婦がやっている「いつまでも新鮮味を感じるデート」とはどんなものか、ご紹介します。
気を抜かない「買い物」

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「子どもが産まれてからも、堂々と休みを取ってくれて家事の分担も嫌がらない夫とは、支え合って生きてこられたと思っています。
感謝の気持ちを忘れたくなくて、私がずっと意識しているのが夫の買い物です。
部屋着のTシャツを買いに行くときでも、『何でもいいでしょ』じゃなくてどんな生地だと着心地がいいかを聞いて、そのとき夫が満足できるものを真剣に選ぶようにしています。
夫からは『そこまでしなくていいよ』と言われますが、部屋着であっても長い時間身につけるもの、家では少しでもリラックスしてほしいと思います。
たった数時間でもふたりで出かけるならデートにしたくて、メイクも服も仕事用とは違うものを考えますね。
私の気持ちが伝わるのか、仕事帰りにドラッグストアに寄った夫から私好みの入浴剤なんかをもらうと、うれしくなります。
あえて『あなたのために』とか言葉にはしないけれど、ずっと行動で示せていると思います。
日々いろんなことが起こるけど、忙しいなかでお互いの愛情を実感できる瞬間を、これからも作っていきたいです」(女性/42歳/総務)
子どもがいるとどうしても自分たちのことは後回しになりがちで、着る服についても適当に買って済ませるのだって、悪いとは決して思いません。
それを当たり前にしない姿勢が、わずかな時間でもふたりきりのお出かけを盛り上げます。
自分のためにいいものを選ぼうとしてくれる姿は、愛情を感じるしありがたいと思いますよね。お互いにその実感を忘れたくないと思えることが、「愛を伝える行動」につながります。
あえて「古さ」を大切にする

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「僕も妻もカフェで飲むコーヒーが好きで、昔はオシャレなお店がオープンしたと聞くとふたりで出かけていました。
結婚して子どもが産まれてからは揃って外出する時間が減りましたが、休日にふとふたりきりになったりすると、『ちょっと行く?』と僕から声をかけます。
10年経つと気持ちが変わってくるのか、いまはキラキラした開放的なカフェって逆に落ち着かないというか、アレンジ満載のコーヒーもいまいち楽しめなくて。
妻に話すと『私ももっと落ち着けるところがいいな』と言うので、若いころは敬遠していた昔ながらの喫茶店を選ぶようになりました。
甘い味が好きな妻が、陶器のカップでホイップクリームの載ったウインナーコーヒーを『おいしい』と言いながら口に運ぶのを見ると、一緒に年をとったことを実感するのと同時に楽しみが消えないことにしみじみと感謝します。
内装や置いてあるスピーカー、流れる音楽など、喫茶店によってまったく違うことに気がつくのも、僕にはいい刺激です。
以前は関心が向かなかった古いものをいいものとして改めて見る機会を、これからも大事にしたいですね」(男性/40歳/デザイナー)
普段から美しいものに目がいくというこちらの男性は、いいものとしての古さを妻とふたりで楽しめるデートが、貴重な息抜きになっていると話します。
昔はこうじゃなかったことまで共有しているからこそ、「新しさ」により新鮮さを覚えるのですね。
共通の趣味があると、嗜好の変化まで一緒に味わえるのが、円満夫婦として続く秘訣かもしれません。