劣等感からのモラハラ
「我が家は共働きで年収は同じくらい、同世代と比べたら年収の低い夫はそれがコンプレックスらしく、度々愚痴を吐くのを聞いていました。
私は、正社員で福利厚生もちゃんとした会社で働けているのはありがたいと思うし、無駄遣いなどしない夫にはいつも感謝の気持ちを伝えていたつもりです。
夫の様子が変わったのは子どもが産まれてからで、友人が家族旅行で都会のテーマパークに出かけた話や貯蓄の額など聞いて『金がないと何も楽しめない』と言うようになり、子ども服の購入や保険の加入を渋っては『子どもなんだから何でもいいだろう』で済ませるのがストレスでしたね。
『私のものを我慢するから子どもにはちゃんとしたものを買いたい』と言うと、『お前が我慢するのは勝手だけど、俺への小遣いは減らすなよ』と返され、育児も嫌なのか平日遅くまで帰宅せず休日も寝室から出てこずに、まさにワンオペ状態。
それでも黙って仕事や家事をこなしてきましたが、去年、ボーナスの支給額が減っていた夫は『いまの状態でも生活できているから、これはいらないよな』と明細だけ渡して、ボーナスを全部引き出してしまい慌てました。
さすがに『ボーナスくらいは貯金に回したい』と言うと『はあ?俺の金なんだから文句を言うな』と怒鳴られて、ショックを通り越して怒りが湧き、離婚を決めました。
すぐに子どもと住めるアパートを探して契約、夫に黙って引っ越しの準備を進め、家を出る数日前に『あなたのような人とは一緒に暮らせないから、離婚してほしい』と記入済みの離婚届を渡しました。
自分が怒鳴った日から態度が冷たくなった私に気づいていた夫は『馬鹿じゃないのか』と返してきて、カッとなり『明後日には子どもを連れてこの家を出るから。離婚しないなら裁判でも何でもするわ』と言ったらさすがに黙りましたね。
それでも夫が謝罪することはなく、予定通りに引っ越し、別居。いまは私の両親を挟んで離婚の話し合いをしています。
私にも収入があるのでできた別居ですが、子どもの状態も安定しており順調です。
自分の劣等感からモラハラに走る人間なんて、夫としても父親としても最低だと思います」(女性/36歳/営業)
お金への執着が強く、家族を犠牲にしてでも自分が手にすることにこだわる夫。
懸命に家庭のために尽くす妻を見ても、感謝するどころか平気でないがしろにするから、出ていかれることになります。
劣等感の解消をモラハラで求めると、必ずそのツケが回ってきます。
自分の問題を配偶者や家族にぶつけるより、まずは自身が向き合って何とかしようとする姿勢が、周囲との信頼を強くするもの。
夫が省みるべきなのは、家族を傷つけても自分の問題は何も解決しないという現実です。
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