余裕がないことによる悪循環
「もっと時間を有効に使いたい」とか「生産性を高めたい」と思っていると、仕事を詰め込んだ計画を立てがちです。私もそういう時期がありました。
そんな「仕事を詰め込んだ方がいい」という先入観みたいなものが、私たちにはあるように思います。
しかし、現実は必ずしもそうではありません。
1日だけならともかく、何日も続けて詰め込み型の計画を立てていると、常に余裕がない状態になります。
そうすると、ちょっとした仕事(やればすぐ終わるような仕事)も、後回しにしてしまいがちです。小さなタスクが数多く積み上がった状態になりやすいんですね。
これは決していい状態ではありません。短時間で終わるものであっても、タスクの数が増えること自体が、私たちの気持ちから余裕を奪います。
私たちはタスクを「数」で捉える傾向もあるからです。5分かかるタスクが12個積み上がっていると、2時間のタスクが1つあるよりも、気持ちの余裕がなくなります。「あれもこれも」と焦る感じです。
さらに、所要時間が短い仕事は、基本的に後回しにした方が効率が悪くなってしまいます。
たとえば、何か頼まれごとを受けたとします。その話を聞いたその場でやれば5分で終わる仕事も、後回しにして後日あらためてやるとなると、ほとんどの場合、5分では終わりません。
その頼まれごとの詳しい内容を思い出すのに時間がかかるので、おそらく6~7分になります。
5分で終わるような簡単な仕事の場合、寝かせたからといって、いいアイデアが閃いて効率が高まるなんてことはありませんし、その場でやる方がいいんですよね。
つまり
- 計画に余裕がない
- その場でやれば済むことも後回しにしがちになる
- さらに余裕がなくなってくる(気持ちも時間も)
という悪循環になりやすいんですね。先ほどの「計画はやや控えめがいい」というのは、これとは逆の好循環を作ることにつながります。
たとえば、本記事についても、こういった要素に影響されています。本記事に書いている内容の多くは私が他の仕事をしてるときに思いついたアイデアが元になっています。
何か思いついたときは、それが目の前のタスクとは直接関係なくてもその思いつきをメモしています。
もし、この余裕がなくなってしまったら私はいま連載しているメルマガを続けることはできてないんじゃないかと思います。そしてメルマガに限らず、いろんな面に影響があると思います。
「やや控えめな計画」は好循環を生む。これは、多くの人に当てはまる原則ではないでしょうか。
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