自分にも非があったと認め、不倫を許した
「不倫を知ったときはひどく動揺しましたし、絶対に許せないと怒り狂いました。最初は離婚のことしか考えてなくて、むしろ復讐してやりたいと毎日のように考えてましたね。でもふと、私はなぜ不倫されたんだろう?って冷静になったんです」
そう話してくれたのは、小学生の子どもを2人持つナナコさん(仮名)。
「不倫が発覚したとき、夫は逆切れしたんです。『お前のせいだろ』って。それまで夫婦関係は良好だと思っていたので、どうしてだろう…って。それで、自分の行動を振り返りながら、不倫の原因になったかもしれない行動をリストアップしてみました。
夫とはしばらく口もきいていませんでしたが、ある夜夫に『なおせるところがあるならなおしたい。私の悪いところを教えてほしい、再構築のために努力したい』と聞いてみたんです。そしたら夫はポツリポツリと不満を話し始めて…多くが家事の手抜きなどの積み重ねでした」
そんなことで不倫?と言い返しそうになったというナナコさんですが、グッとこらえて夫の話を聞きます。
「夫も話していて、なんて自分勝手な内容で不倫してしまったんだろうと、自分の過ちに気づいたようです。逆切れしたこと、不倫してしまったことを深く反省し、謝ってくれました。それで2人でもう一度夫婦として頑張ろうと話し合うことができたんです。
それからは喧嘩もせず、仲良く暮らしています。私も頑張らなければいけませんが、夫も『手抜きは仕方ないよね』というスタンスになってくれたので、結果的にお互いにとってよかったのかも」
再構築後の幸せな生活を考えると、冷静に話し合いをして相手の気持ちを受け止めることは、辛くても大切な過程なのかもしれません。
夫をGPSでとことん管理して不倫を許した
「夫の不倫相手は元カノでした。なんと結婚前から関係が続いていて、もう4年も不倫していたそうなんです。そんな話を聞いたら、どれだけ好きな人でも一瞬で冷めますよね。
まだ子どももいなかったので、私はすぐに離婚届を渡し、別れを告げました。しかし…彼はどうしても別れたくないというのです」
ユリさん(30)は、夫が離婚を拒否する理由を次のように話します。
「まず、彼の両親は私にとてもよくしてくれています。自分の娘のようにかわいがってくれて、私を傷つけたら息子と絶縁するというほど。まずそれが怖かったのでしょう。
次に仕事です。私は会社を経営しており、夫よりも稼ぎが多く、夫はそんな私の稼ぎを頼りに生活しています。離婚すれば夫は生活水準を下げなければいけません。まぁ、それなら最初から不倫しなければいいのにって話ですけどね」
これ以上一緒に暮らすメリットはほとんどなかったものの、離婚も面倒だったというユリさんは、夫を許すためにある条件を課します。
「常にGPSを持ち歩き、信頼回復に努めてくれるなら考えてもいいと言いました。それから夫は毎日GPSを持ち、帰宅の際の連絡も欠かさず、職場の飲み会にも行かず、スマホも私に管理させるなど、信頼回復の行動を徹底したんです。それから2年、私はようやく夫を許しました」
夫の努力とユリさんの辛抱が、夫婦仲を改善に導いたんですね。