親の介護で自分を犠牲にしないで
日本の介護制度は、家族が介護するのが前提となっているように感じます。
そこで、多く人が直面するのが仕事と介護どちらを優先するのかという問題。
介護をきっかけに離職する人も実際にたくさんいるかと思います。
しかし、ここで立ち止まって考えてもらいたいです。
介護はいつか終わりがくるけど、自分の人生はこれからも続いていきます。
介護をきっかけに仕事を辞めた結果、残された自分の人生が苦しくなるようだったら、あらゆる方法をとってでも辞めない方がいいと思います。
もし、仕事を辞めて「親の介護のために自分が犠牲になった」という気持ちでいたら、いずれ我慢の限界にきて虐待につながる可能性も考えられます。
また、仕事に限らず、親の介護で自分のライフスタイルを犠牲するべきではないと思います。
なぜなら、私も認知症の母を自分の家に呼び寄せたことで、夫との夫婦関係が破綻しかけことがあるからです。
介護で自分を犠牲にするのではなく、あらゆるサービスを利用したり、ケアマネージャーなどを頼って「自分の人生を大切にする」べきだと考えます。
それが、たとえ親を施設に入居させることになったとしても…自分の人生を一番に考えてほしいと思います。
親の介護がこれからの自分の幸せについて考えるきっかけとなる
介護が必要になった親の姿を見ていると、「この先、自分もこうなるのか」とこれから老後に向けて何をするべきなのか見えてきます。
特に介護では、お金がかかるということは身に染みて感じています。
だから、いまのうちに稼いでおこうとか、子どもにはなるべく迷惑がなならないように準備しておこうとか…自分の親の姿がお手本になるのです。
また、私もそうですが、ほとんどの人が、介護が必要になった親の姿を親の姿を見て「こうはなりたくない!」と思うことでしょう。
しかし、自分が親と同じようにならないために老いを食い止めることは不可能です。
死ぬこと、老いることはさけられない。だとしたら、老いていく前にやりたいこと、自分にとって幸せなことを探してみたらいいのではないでしょうか。
くだらないことでもいいから、自分の心が穏やかになること、時間を忘れて熱中できることを改めて考えることで自分の意外な人生観が見えてくるかもしれません。
親の介護を、「自分とっての幸せについて考えるまたとないきっかけ」ととらえたら少し前向きになれるのではないでしょうか。
私も母の介護をきっかけに、自分のとっての幸せを模索している最中です。
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