韓国在住の日本語教師でライターのHAZUKIです。在韓ならではのリアルな韓国情報をお届けしています。
みなさん、韓国の少子化事情についてご存じでしょうか?
現在の韓国の出生率は0.78%(参考:時事通信)。何十年もかけてこの状態になったのではなく、ここ数年での出来事なので、本当に急激に減っていて社会問題にもなっています。
日本以上に深刻な韓国の少子化。どのような背景があって、実際にどのような影響が出てきているのかについてお話ししましょう。
筆者は、韓国の少子化の理由は主に以下の3つが挙げられると思います。
1.あまりにも熱すぎる教育熱
2.住宅問題
3.将来の韓国への不安
そう考える理由について詳しく解説します。
あまりにも熱すぎる教育熱
韓国の教育熱に関しては何度か取り上げたことがありますよね。
韓国では、基本的に小学生から主要三科目を塾で学びます(最近は幼稚園からも通うのだとか…)。そのほかにもピアノ、外国語、水泳、テコンドーなども必須です。
みんな塾で学ぶので、学校の先生も塾に通っていることを前提に授業します。そのため、学校だけの授業では十分ではないと感じることが多いようです。
しかも韓国の塾は日本と違って科目ごとに専門の塾があり、それぞれの塾で週3日以上学びます。子どもにとって心身ともにストレスになりますし、親にとっても経済的に大きな負担になります。
しかもみんながそうなので、多くの塾に行ったからと言って成績がトップになるわけでもありません。
そんな風に「がんばるのが当然」「先が見えない」「つらい」と感じながら学生生活を過ごした大人たちが、「自分の子どもにはそんな思いさせたくない」「でもそうしないと韓国では成功できない」というジレンマに陥り、結局子どもを持たない選択をする人が多い印象です。
住宅問題
韓国では、マイホームを持つ=結婚・出産の準備ができていると認識する人が多いです。
筆者の周りでも、予想より早く子どもを授かった夫婦が急いで家を購入したということもありました。
日本は土地の値段が比較的安定しているので「家は買わなくてもいい」「家を買うのはいつでもいい」と認識する方が多いでしょうが、韓国は土地の値段がかなり不安定なので買わなければいけないけど買うのが怖いんですね。
最近は土地の値段が急激に落ちているので、頑張って買った人たちが苦しんでいるというニュースも多く見ます。
将来の韓国への不安
正直、これが一番の理由かと思います。実際、筆者夫婦が子どもを持たないのもこの理由です。
正直私たちも親になりたいし、子どもに日本語・韓国語・英語を教えてあげたいし、広い世界を見せてあげたいと思いますが、先が見えないいまの世の中で、果たして「生まれてくることが本当に幸せなのか」と考えてしまいます。
最近筆者が日本語の授業のフリートークで、「また生まれ変わりたいか」「もし生まれ変わるなら何に生まれたいか」というテーマで授業したことがあるんですが、そこにいたほとんどの人が「いまの韓国には生まれたくない」と答えました。
いまの韓国は食べるのには不自由なく、健康に暮らせる国だとは思いますが、常に働かないといけない、勉強しなくてはいけない、努力しなくてはいけないからだそうです。
いまは幸せだけど、もう繰り返したくないというのが彼らの意見でした。正直、筆者も同意見です。
少子化の原因はもっとあるとは思いますが、リアルな意見としてはこれらが強いのではないかなと感じます。日本はどうでしょうか?
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