大学を卒業してもう30年近く。
SNSのおかげで、昔なら連絡が途絶えていたであろう同級生の近況もいまだになんとなく知ることができているのですが、アラフィフにもなると同級生の男性が、執行役員だの編集長だのマネージャーだのになっていたりします。
一介の主婦であるわたしは、そうやって仕事のキャリアが積み上がって「何か」になっている彼らがまぶしく思える瞬間があります。
子育てをしていると、どうしてもキャリアという面では途絶えてしまうから、「もし自分がそのまま仕事をしていたら、こんな風になったのかなぁ」と想像しちゃうんですね。
一方、わたしの周りの主婦たちは、ほとんどがパートの仕事をしています。
パートはパートで楽しくて、同世代のおばちゃん仲間でおしゃべりしたり、気楽で楽しいっちゃ楽しいんだけれど、ときどき「大学に出て、妊娠・出産するまでは仕事もバリバリ頑張ってきたのに、高校生や大学生と同じ時給のパートで埋もれている自分」に切なさがよぎるときがあります。
働きたい主婦の選択肢は非常に少ない
それなりの大学を出て子育てし、子どもが少し大きくなったからという理由でパートしている主婦は、ゴロゴロいます。
石を投げたらそういう主婦に当たるくらい多いです。スーパーにもコンビニにも、ファストフードのお店にもいます。
そもそも育児なんて学歴や職歴は関係なくて、子どもを産んでしまえば全員が平等な「ママ」という存在で出直し。
そこからは、がむしゃらに手探りの育児。出産と授乳で子どもに養分を取られて白髪は増えるわ、おっぱいは垂れるわ、それでも自分なんか後回しで子どもの世話に追われる生活。
観る映画は子どもが好きなアニメに、読む本は絵本に、見るテレビも子ども向けのものばっかり。自分のエンタメを楽しむ時間も余裕もございません。
そんな感じで髪を振り乱して子育てして、気づけば40代半ば。「何か仕事でもしたいけど、さあどうする?」となったとき、こういう状況下の主婦の選択肢は、非常に少ないという現実に愕然とします。
まず、子どもがいるので、遅くまでの仕事は避けたい。それに主婦として家事を抱えているから、ご飯もある程度は作らないと。
さらに子どもに吸い取られて体力が地に落ちている。困ったことにキャリアブランクは10年を超え、いまさら会社勤めは無理そう…となる。
そうやって条件を絞っていくと、結局残るのは「近所の最低賃金のパート」。いろんな人に聞いたけど、みんな同じ理由で「それしかないから」選んでいました。
たしかに、最低賃金で雇われるのって気楽です。何かあったら休めるし、ぶっちゃけ責任もないし、社員のように残業してまで遂行すべき業務があるわけでもないし、お小遣い稼ぎと割り切ってしまえばそれはそれで大あり。
わたしも最初はそんな気持ちでパートに出て、最初は楽しかったけれど、だんだん物足りなくなってきてしまいました。
けれど「もっと稼ぎたい」と思っても、パートの立ち仕事では体力の限界が見えています。
これからは高齢化の時代。年金もたいしてもらえないし、うちは夫が20歳年上。
夫が先に逝っちゃうかもと考えると、ゆくゆくは自分の経済力だけで生活できるようにしていきたいと考えているのですが、本当に選択肢が見つからないんですよね。