問題点は何だろう?
この内容だけを見ると「佐々木さんは仕事がしたい」ように見えるのですが、そうすると「子育てをしながら目標達成できるのか不安」「家で余裕がなくなり、夫や子どもに優しくできない」という悩みが出る。でも、家を優先すると上記のようになって…とグルグル回っているのです。
実際、こんな流れがありました。
- 相談の結果、「目標額を下げて仕事減らしてもらおう!」となった
- それを社長に伝えて、減らすことをOKしてもらった
- これから自分の上司になる人に、それを伝えた
- 「えー、困ります!いままでみたいに頑張ってください」と言われた
- そう言われて嬉しくもあり「わかりました、いままで通りやります!」と言った
- 「やっぱり、本当にできるのか不安で…」と、相談を繰り返す
こうして見ると、何が問題なのか。僕は、「佐々木さんが軸を決められないこと」だと感じました。
簡単に言えば、家庭重視なのか、仕事重視なのかです。それを選べてしまうことも、また問題なのでしょう。
「やるしかない」となれば人間腹をくくれるのですが、「選択できてしまうから悩む」わけです。
判断材料のためにご紹介しますと、彼女の夫は公務員で、年収700万円程度だそうです。
そして初孫2人に感動した両親が、実家の関西から上京してくれました!つまり、完全に引っ越して来られました。いま、佐々木さんのマンションのすぐ近くにお住まいになっています。
夫の年収を考えると、やろうと思えば専業主婦になることはできます。またお母さんの存在を考えると、やろうと思えば仕事に「ほぼ」完全復帰もできるのです。
考え方。僕がおすすめする指標
このお話には「これが正解」というものがありません。人の生き方には正解がなく、言い換えると「どんな道でも正解」と言えるからです。
正しくは「どんな道を選んでも、その先に成功も失敗もある」で、進んだ後に「失敗だった」もあるわけです。
でも、それは「その道」が間違っていたのでなく、「自分の進み方が悪かっただけ」なのです。
脱線しますが、仕事や結婚も同じで「この会社でいいのかしら」「この人でいいのかしら」と考えても意味がありません。選んだ道で「よかった」と思えるように頑張っていくのが正しいのです。
さて、「どんな道でもいい」と考えると、考えるための指標がありません。
そこで、僕がおすすめする指標をお話します。僕は「結婚したら子どものために生きる」ことをおすすめします。理由は次の2つです。
- 自分のために生きると、その姿勢は離婚に繋がりやすいから
- 人間は「自分のため」よりも、大切な人のための方が頑張れるから
たとえば、佐々木さんが仕事で頑張る動機は、「自分のため」になっていました。
そうではなく、仕事で頑張って成果を出すのも、「我が子に自分の背中を見せるため」と思ったらいいように思うのです。
佐々木さんがおっしゃっていたように、人のために頑張ることに生き甲斐を見出すことにシフトするときがきていると、僕も思います。
この「人のために」が、「次の世代のために」という視点になれると、いろんな話が噛み合うようになると思います。
先ほどの「子どものために生きる」もそうですが、広義で言えば我が子ではなくても、近所の子ども、甥や姪でも同じです。
我が子でなくても、子どものために生きることはできます。これが「結婚したら子どものために生きる」の意味です。
そして、佐々木さんがトップ営業マンに居座る限り、後輩はトップ営業マンになれません。
「世代交代をして勲章を譲って、人を育てる側に回る」という考え方ができると、もっとリラックスして仕事ができるように思うのです。