「自分のしたいこと」に人を巻き込まない
それから義母の「招集」の頻度はめっきり減りましたと、ショウコさんはさっぱりとした笑顔で口にします。
「たぶん、近所の人には私が仕事を優先してばかりと愚痴を吐いているのかもしれませんが、それに同調する人がどれくらいいるか、逆に仕事を放っておいて活動することのほうがおかしいと言う人も必ずいると思います」
自分の長男から強い言葉で非難されたことがよほどショックだったのか、毎週のように鳴っていた着信は途絶え、しばらくは義実家からの連絡はなかったそうです。
ショウコさんのほうが逆に心配になり、夫に「大丈夫かしら」と声をかけると、「いままでがおかしかったんだよ」と素っ気なく返されたそうです。
「正直に言えば、そのおかしかったことを私はそれまでも夫に話していたのにまともに取り合ってもらえなかったわけで、そのときは夫にカチンときましたね。でも、母親の異常さは目の当たりにしないと実感できないのかも、とも思いました」
どうであれ義母の無茶な要求が止まったことが何よりショウコさんにはうれしく、いまもゆったりと過ごせる週末を楽しんでいると言います。
「自分のしたいことに長男の嫁だからと何でも巻き込むのは、やはり普通じゃないですよね。それまで黙って従ってきた私にも問題はあるし、今後はできる範囲で手伝っていこうと思います」
町内会の活動が悪いのではなく、息子の妻だからと「するのが当然」と思うのが間違っていて、そこを義母が理解したかどうかはわかりません。
自分のしたいことならまず自身で楽しめばいいのであり、従わない身内を責めるのは筋が違うと感じます。
夫の価値観に救われた今回のケースでは、生活の実態を正しく義実家に知ってもらうことも重要だなと思いました。
無理のないお付き合いは、居心地のいい距離感が欠かせません。
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