結婚すると、お付き合いを切るのは難しいのが義実家の存在。
義母たちとのつながりは、いいときもあれば振り回されるときもあり、特に悪い面が前に出ると接触する機会すら避けたくなります。
「嫁」はどこまで義実家についていくべきなのか、ある女性は義母の振る舞いに悩んでいました。
自分だけでは解決が遠のくのが義実家問題、義母は何を望んでいたのか、ひとつのケースをご紹介します。
活動的な義母に言われるまま…

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38歳のショウコさん(仮名)は、仕事熱心な夫とふたりの子どもたちと、慌ただしくも幸せな家庭を築いてきたと言います。
いわゆる「長男の嫁」であるショウコさんは、義実家とのお付き合いも欠かさず、義母や義父には礼儀を尽くしてきた自負がありました。
「別に大きな家ではないし地元で有名ってわけでもないのですが、義母がずっと町内会のメンバーとしていろいろな活動を続けていて、長男の妻である私も引っ張り出されることが多かったです。
義母は『うちの息子の嫁だから当然』という感じだったけどそんなものだろうと私は思っていて、周りの人もあたたかく迎えてくれるので最初のころは楽しく動いていましたね」
実家が市外にあるショウコさんにとって、義実家や地元の人たちとの交流は「絆を作る大切なコミュニケーション」だったそうです。
だから何かの会でも活動でも呼ばれたらその都度都合をつけて参加していましたが、風向きが変わったのは義母が町内会の副会長になってから。
「『副会長の私が率先してやらなければ』が口癖になり、以前より活動が増えました。
不燃物の日は早朝から場所に向かうし、交通安全の日は地域の子どもたちのために道端に立つし、誰に言われるでもなく動くのは素直に尊敬していました。
でも、同時に私が呼ばれる回数も多くなって、どうしても行けないときに断るとあからさまに不機嫌になるのですよね……」とため息をつきながら、ショウコさんは義母の「暴走」に振り回された日々を振り返りました。
「嫁なら参加するのが当然」!?

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正社員としてフルタイムで働くショウコさんは、平日は家事に育児にと忙しく、特に子どもたちが小さいうちは自分の時間などまったくないほど大変だったそうです。
「夫は特殊な仕事をしているので残業も多く、ずっとワンオペでした。義母たちは町内会の活動があって忙しいから何かをお願いするのも気が引けて、いま思えば生活の実態を知らせていなかったのがよくなかったのかもしれません」
家庭にいる時間が短い夫とは夫婦で会話をする時間も少なく、ショウコさんの慌ただしさをきちんと把握していなかったのも、義実家とのすれ違いを進めた原因のひとつ。
週末になると「あしたは7時から公園の掃除をするから」「今夜は会合があるから」と義母からいきなり用事を言われ、疲れていても何とか参加していたそうです。
「子どもたちだけ置いて家を出ることはできないので、さすがに夫がいない夜はお断りしていましたが、それすら義母は不満そうでしたね。
夫は義母に『俺は仕事が大変だから、家のことはあいつに任せている』とだけ話しているらしくて、何度か行けないときが続くと『もっと効率よく家事をしなくちゃ』と私のやり方にまで口を出すようになり、ストレスでした」
「嫁なら来るのが当たり前なのよ」と文句の最後につけ加える義母を見れば、もっとこっちの事情を考えてほしいと思うのは当然です。
それでも、夫に言えば「母はあれが生きがいなのだから仕方ないだろう。行ってあげて」と返されるだけで、まったくあてにはなりませんでした。
義母が副会長になるまでは2つ返事で参加していた手前、ショウコさん自身も「がんばって続けなければ」という思いが強く、モヤモヤをこらえながら活動する日々が続きました。