終身雇用は先細りも、専門性に頼るリスクも
終身雇用内にいるメリットも十分理解できる一方で、日本において終身雇用は破綻していくと見ているので、どちらにしても、終身雇用制度以外で生きていくメンタリティは遅かれ早かれ必要になるでしょう。
であれば、終身雇用の概念がない外資系でその道のエキスパートとして働くのがよいとか、専門性のある仕事で生涯現役を目指すのがよいとかいう話にもなりますが、これも一概によいとも言えません。
たとえば専門性のある仕事というのは、どうしてもインプットよりアウトプットが多くなってしまいがちです。
日々専門性を深掘りするなかで、自分のコスパはよくなっていきます。つまり、いままで60分かけていたことが、30分でできるようになったり、どんどんコスパは上がりますね。
一方で、同じ仕事を深掘りしていっても新しい発見や新しい出会いは少なく、成長を実感できなかったりというのもあります。
常に肩書がフレッシュであるかどうか
終身雇用内であっても外であっても、大事なことは常に肩書を新鮮に保てるかどうかです。
私のように独立すると尚更感じるのですが、肩書がアップデートされない人は職が先細ってしまいます。
たとえば、私はソニーを卒業してすでに15年以上です。「元ソニーの垣屋」の賞味期限はせいぜい退職後数年じゃないでしょうか?2〜3年の間に新しい肩書きが見つけられなかったら、職は先細りです。
また、私は専門職として10年間証券アナリストをやってきましたが、証券アナリストという肩書もそれだけでは足らず、「最近○○社のレポートでおもしろいことを言っていた証券アナリストの垣屋」のような感じで、定期的に注目される必要もあると思います。
つまり、終身雇用が衰退していく今後は、過去の自分で稼ぐのでなく、いまの自分で稼いでいる実感が必要です。
もっと簡単に言うと、日々成長を感じられるような仕事をいかに長い期間できるかというところでしょうか。
いつか、過去の自分の実績で稼ぐときは誰にでも来るでしょう。でも、それが後であれば後であるほど、長く稼ぐことができます。
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