男性の育休取得は人生の夏休み?
そもそも、子どもが生まれた夫婦からしてみれば、男性の育休取得はメリットでしかないと思います。
ふたりで子育てできることは当然のこと、育児休業給付金と社会保険料の免除、翌年の所得税と住民税の減税など収入面でのデメリットも少ないと言えます。
付け加えると、女性は出産後は身体が回復している期間ですから絶対的に休業が必要ですが、男性に身体のダメージはなく、可愛い子どもと長く時間を過ごせるなんて、男性にとってはまさに人生の夏休みではないでしょうか?
私のSNSには若手男性も多いのですが、「あしたから育休明けて職場復帰です」みたいなのを意気揚々と投稿している人を見て、「そんなに甘くないよ。リアルな子育て生活にようこそ」と思っています。
男性育休復帰後は女性が子育て負担を被るのか?
つまり、男性の育休取得に関して言えば、昇格などへの意気込みの低さ、育休中の仕事のバックアップを誰がするかなど、短期的なネガティブ要素ばかりがハイライトされますが、現実としては、共働きで子育てしていくのであれば、男性側も女性と同様に今後20年間は仕事に制約があるということです。
それを企業側に見せていくのが本来の男性の役割で、育休取得をして人生の夏休みを謳歌して、復帰したらまた元の働き方に戻り、夫婦でフルタイム復帰した際には女性側が子育て負担をほぼ被るとしたら、ふざけんなよという感じです。
企業側にも取得側にもいま一度、男性も子どもが生まれたら働き方が女性と同様に変わるというのを理解する必要があると思います(逆に女性社員の場合、子どもを産む前から「昇格に興味なし」「育休取得の後は時短」と勝手に思われて戦力外扱いをされるのも不条理)。
男性も子育て期間の20年間は働き方が変わる
一家の大黒柱として男性が稼ぐ時代は終わり、「家族のために仕事を頑張る」から「どうやって夫婦共々キャリアを継続していくことができるか」が大事な時代になりました。
私が上司であれば、育休を取得希望の男性には快く取得を承諾し、その期間にはどっぷり子育てを楽しんでほしい旨を伝えるとともに、育休取得後こそが共働きの始まりだと伝えます。
また、育休取得後にどういう形で仕事をしたいのかのプランを考えているかも聞くとともに、育休取得後に人生観が変わる可能性もなきにしも非ずなので、また育休取得前に面談しましょうというのも伝えるかなと。
とにかく、「お前はやる気がないのか」「誰が仕事のバックアップをすると思っているのか」的な雰囲気を出すのはNGです。
なぜならそれは短期的な懸念に過ぎず、共働き夫婦の社員がいれば、もっと長期的に職場がバックアップする必要があるからです。
「育休から戻ってくるまでどうにかするよ」「戻ってきたらまたしっかりよろしく」というのも、あまりに共働きの子育ての実態を知らない言葉でNG。
むしろ、社員の育休期間中に事業を問題なく回すことで、社員が戻ってきたときにどういう働き方になるとしても問題なく回るということに繋がりますし、若手人材が働きやすい環境になるということです。
- image by:Unsplash
- ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。