「知らない女性が母」なリスク
そうするうちに父が亡くなり、その後わたしはいまの夫と出会って結婚することになりました。
そのときに引っかかったのが、戸籍の件です。今度は夫と家族になるので、戸籍がおかしいままだと何かしら不都合が起きる気がする。戸籍や相続など法律上のことがさっぱり分からないわたしでしたが、なんだか気になりました。
そして帰省した際にもう一度戸籍謄本を取り、市役所で事情を話し、結婚するのだけど問題は起こらないか聞いてみました。
すると、会ったこともない前妻が実母として登録されているとなると、もしその人が借金などをした場合、わたしが相続してしまうことになる。つまり、夫にも迷惑が掛かってしまう可能性があるとのこと。
実の母なら動きがわかりますが、会ったこともない前妻のことまでは把握できかねます。「これは、なんとかしなくてはいけない!」と、その足で地元の家庭裁判所に相談に行きました。
すると、戸籍を変更するにはかなり面倒な手続きを踏む必要があると言われました。
まず、わたしとその前妻が戸籍上「親子」になっているのだけれど、双方が「違います」と言う必要があること。
「親子関係不存在の申し立て」という申し立てをする必要があり、申し立てた側が、相手側の住む管轄の家庭裁判所まで出向く必要があること。
弁護士を立てるとスムーズではあるけれど、その分弁護士費用がかかること。
それでも、誰だかわからない人に借金を背負わされる時のことを考えれば、面倒でもこれを機に戸籍の申し立てをして、きちんと決着をつけたほうがいいと思いました。
相手側の連絡先がわからず、なぜか母が前妻の連絡先を知っていたので連絡を取ってもらい、なんとか申し立てできることに。
っていうかこれって、わたしがやるべきことじゃなく、親の仕事じゃないの?何もせず亡くなった父と、「お父さんに任せてるから」と言って、放置していた母を恨めしく思いました。
こうしてわたしが結婚するのにも障害が出て、夫にも嫌な顔をされる。迷惑ったらありゃしないです。自分の子どもには絶対にこんな迷惑をかけまいと心に誓いながら、自分で決着をつけるしかないと歯を食いしばって事を進めました。
夫に事情を話すと驚いていましたが、結婚後に出る影響を考えると、いまきっちりなおしたほうがいいとのことで、申し立てに至りました。