こんにちは。韓国在住、日本語教師でライターのHAZUKIです。在韓ならではの生きた韓国情報をお届けします。
昔、日本でも問題視されていた「フリーター」が、いま韓国でも問題になっています。「韓国は数年前の日本の姿」とはよく言われる話ですが、社会問題に関しては本当にその通りだ…と感じますね。
韓国で生活したことがある人はご存じだと思いますが、韓国は日本のようにバイトやパートの待遇があまりよくありません。
人件費はここ数年でかなり上がったものの、日本のような「シフト制」があまりなく、店が指定する時間(たとえば朝10時〜16時など)に合わせてバイトが働く状態。
また何人もバイトがいるわけではなく自分1人といったところも多いので、自分のスケジュールをバイトに合わせないといけないこともザラ。
それならバイトをしないで一生懸命勉強したり、短期のアルバイトだけしたりする方がいいという考え方が一般的でした。
なぜ韓国でフリーターが増えているの?
そんなバイトする環境がいいとは言えない韓国で増えているフリーター、原因はなんだと思いますか?
色々ありますが、私は就職難と世代間ギャップが大きいかなと思います。
韓国はいま、かなりの就職難です。
日本は大学卒業前に内定が出ることが多いですよね。韓国では理系や有名大学の場合は別ですが、卒業後も就職活動をすることが一般的。
しかも韓国には「新卒ブランド」というものがなく、経験やスペックを重視します。
新卒は当然実務経験がないので、スペック(外国語、資格など)を積むしかありません。卒業後にスペックのために塾に通ったり、住み込みの塾で勉強漬けになりながら就活を続けます。
1年以内に就職できる人が多いですが、それでも運がない人は「就職浪人」になってしまいます。
就活が長引けば長引くほど、生活費の負担がかかります。家族の支援を受けられるならいいですが、そうでない人はバイトをしなければなりません。
バイトをすれば就活もうまくできなくなり、勉強も集中できなくなり、気がついたらバイトだけの生活…なんて悪循環に陥ることがあるようです。
日本のように、たくさんの選択肢があるなかでフリーターを選ぶというよりは、仕方なくフリーターになってしまうという感じです。
また、会社に就職してもすぐやめてしまってフリーター生活になる人もいます。
どの国もそうですが、世代間のギャップのせいで人間関係がギクシャクしてしまうことが多いですよね。
特に上司は部下を理解できない、部下は上司を理解できないことが多く、結局若い人が耐えられなくなって会社を出るというパターンが多いようです。
最近は社会も変わって、「既成世代(年がある程度ある人たちのことを韓国でこのように呼びます)も変わらなければいけない」という風潮もあり、徐々によくなってきてはいますが、小さな会社や一部の人たちはこの流れについていけていないようです。
筆者は外国語塾で働いているのでこのような人たちをよく見ますが、「バイトは最後の手段だ」と言っていたのを聞いたことがあります。
韓国のバイト事情、会社事情も少しずつ変わっていけばいいですね…。
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