みなさんはPTAに対してどのような印象を抱いていますか?
「めんどくさい」「やめたい」という人が多く、いまから入学を控えている人にとっては「恐ろしそう…」と感じる嫌なものになっていませんか?
今回は、そんなPTAに関する話を3人の保護者の方々に伺ってきました。具体的にいつごろPTA役員になったのか、PTA役員の推薦や退会についてなど、リアルな話をお聞きください!
経験者による「PTA」座談会
ーーPTA役員はいつやりましたか?
香織さん:私は1年生のときに立候補してやりました。学年が上がるにつれて大変なことが増えるし、1年生のときは周りの保護者たちみんな初めてだから手探りで、結構サポートしてもらいやすいから楽って聞いていたので。そのあと、うえの子が6年生のときにもう一度やりました。
次郎さん:うちも妻が「早めにやったほうがいい」と言うので、2年生のときに立候補しました。
沙也加さん:どこも同じなんですね。私も1年生のときに立候補しましたが、みんな同じことを考えていたらしく…10人くらいの保護者たちであみだくじして決めましたよ。結局息子が4年生になるまでやれませんでした。
ーー低学年のうちにPTA役員を済ませておきたい理由は、やはり面倒だから?
香織さん:声を大にして言う人は少ないでしょうけど、やっぱりそうじゃないですか?「在学中1人1回やってください」って言われてて、やりたくなくてもやらなくちゃいけない…だったら楽なほうがうれしいですよね。
次郎さん:やるのは任意だって言う人もいますけどね、周りの視線が気になるからやらない選択はないし…。
沙也加さん:たまに1年生から6年生までずーっとやる保護者の方もいますよね。そういう人はすごいなぁと思うし、ありがたい。「ぜひぜひやってください!」って感じです。
次郎さん:保護者同士で集まって何をするのかとか、子どもたちのために何かしようとか、そういう集まりが好きな保護者って一定数いますよね。でも僕は男性だからかな…PTAって女性のほうが多いし、一回役員になったときは肩身の狭い思いをしたので、やりたくないです。力仕事とか全部任されるし。
香織さん:うちのPTAは男女比率がちょうど半分くらい。お父さんたちも積極的に参加してくれるので、次郎さん、うちの学校に来たらPTA楽しいかも。
次郎さん:それでもやっぱりやりたくないです、面倒だし…。
ーーPTA役員になると、1年間はいろいろな仕事をしなければいけませんからね。なかには絶対にやりたくないという人もいるのでしょうか。
沙也加さん:いますいます。うえの子が6年生なんで6年間PTA役員の動きとか見てきましたけど、6年間頑なにやらなかったご家庭がありました。「1家庭1回はやってください」という決まりがあるので、「まだやっていないようなので、次頼んでもいいですか?」と聞いている先生がいましたが…それでも断ってましたね。
香織さん:いまは共働き家庭のほうが多いくらいなのに、「仕事だから」って理由で断る人が結構います。忙しいのはわかるけど、ほとんどの保護者が仕事の合間を縫って参加しているのでもう仕事だから…なんて理由は通用しないよなって思います。もちろん、心身的な理由や介護など、仕方のない内容なら問題ないとは思いますよ。強制じゃないですし。
次郎さん:ひとり親家庭でも、最近は参加している人が多いですよね。どうしても参加できない人も「あとで資料回してください」って声かけてくれるし。たとえ欠席することになったとしても、参加しようっていう意思があれば問題ないなと思いました。まぁ、学校の雰囲気とかによるのかもですけど。
沙也加さん:それでも、大した理由じゃないのに断り続ける人はちょっとなぁ…と感じてしまいますね。じゃあ私も「仕事なんでやりません!」って言っておけばよかったかも…って。
香織さん:だけどやってみたら案外楽しくないですか?6年生のときのPTAはたしかに大変だったけど、卒業に向けていろいろ考えるのは楽しかった。
次郎さん:周りの保護者の方との相性もありそうです。
香織さん:あ、そうかも。
沙也加さん:話しやすい保護者の方が集まっていると楽しいですよね。
香織さん:お茶会も「行く行くー!」ってなる。結局PTAでストレス感じるかどうかって、人間関係に尽きるんだわ…。
ーー役員は推薦もできますが、仲良くなった保護者に推薦されちゃうこととかはないんですか?
沙也加さん:あっても断れます!私は一回推薦されたんですが、今年度は忙しいので難しいですと断りました。相手の保護者の方からは「誰かひとり推薦しなきゃいけないシステムなんだと思って名前書いちゃった…」と謝られましたよ。
次郎さん:妻も推薦されてました。あまり面識のない保護者の方に推薦されたようで、怖いって言ってましたけど。
香織さん:えっ、なんで推薦されたんですか…?
次郎さん:「参観日のときにニコニコしていて目立っていたから、明るくてリーダーに向いてそうだから」って理由みたいです。妻がかなり困ってました。
沙也加さん:なかには、いやがらせで推薦する人もいるみたいです。
香織さん:そうそう、幸い私の周りにはいませんでしたが、ほかの学年でそんな話を聞いたことがあります。
次郎さん:PTAへの推薦でいじめって…。いじめっていくつになっても陰湿ですね。
ーーデザインが得意な保護者など、スキルを持っている人は推薦されることも多いですか?
沙也加さん:あ~推薦っていうか、PTAの偉い人とか、先生から直々に電話かかってきます。「広報委員やってくれませんか」とか。
香織さん:PTA役員じゃないのに「PTA会報のデザインだけお願いします!」って頼まれている人とかもいますよね。
次郎さん:うちの妻は出版社で働いているのですが、「文字を書くのが得意でしょ」ってPTA新聞みたいなの担当に勝手にさせられてましたよ。推薦どころか強制みたいなものでしたね…「もちろん拒否しませんよね?」って謎の圧があるんです。
沙也加さん:えっ、本当にやったんですか?
次郎さん:まぁやりましたけど…妻ではなく私がPTA役員会に参加して、「僕は何も得意ではありませんけどそれでもいいですか~?」って言い続けながら参加しました。それ以降、うちが推薦されることはなくなりましたね。仕事や特技は迂闊に口に出すもんじゃないって学びましたよ。
ーー最近は、PTAを退会する人も増えてきていますが、退会しようと考えたことはありますか?また、周りで退会した人はいますか?
沙也加さん:私の学校はPTAの雰囲気がそれほど悪くなかったので、退会を考えたことはありませんでした。でもママ友の学校ではPTA役員にならない人に対するいじめみたいなのがあって、家庭の事情で仕方がなかったんですけど…理解しない人も多くて。それでストレスを感じ、退会した人がいたようですよ。その方が退会したのをきっかけに、辞めていく人がどんどん増えたそうです。最初のころは、退会した家庭は登校班に加えないとか、PTA主催の学校行事には参加させないとか、差別がしっかりあったみたいですけど。
香織さん:うちは昨年から任意加入になりました。もう1年生のときにPTA役員にはなっちゃったし、いまさら退会する理由もないので退会はしてませんけど、加入率は半分くらいみたいです。案外全員入らなくてもPTA活動って回るんだなぁって思いました。一人一役の係活動みたいなのも任意ですが、人手不足で大変…という話は聞きません。やれる人がやったらいんですよね、それで結構なんとかなるものなんですよ。
次郎さん:退会ができるのは知ってるけど、まだメジャーではないし、退会方法もよくわからない。退会できるならしたいなとは思いますよ。もし次また妻に、「この仕事してくれ」って押し付けてくる人がいたら面倒ですもん。でも周りからどう思われるのかなとか考えるので様子見ですね。
ーー学校や人間関係によってさまざまな事情があるPTA活動。めんどくさい、やめたいと考える人がいる一方で、環境がよければ「楽しい」と思う人も少なくないことがわかりました。今後PTAの入退会が自由なことがもっと広まれば、「やりたい人だけで楽しみながらやる」という風潮も広がっていきそうです。きょうはありがとうございました。
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