「こまめなお手入れ」は誰がやるの?
こういう「主婦文化」って特に日本が強い気がしています。
だってアメリカ発のロボット掃除機「ルンバ」だって「自分が掃除をしない」という前提で作ってるわけだし、わが家が愛用しているダイソンだって、自分でかけるけれどゴミの捨て方が豪快で「ブシュ」とボタンを押せばそれで完了っていう簡単さで、ときどきフィルターを水でジャバジャバ洗えばオッケーという雑さ。
わが家は空気清浄機もアメリカのメーカー「Levoit」のものを使っているのだけれど、ボコっと外れるフィルターを、掃除機で吸えばいいだけという手入れ法。
細かいところを掃除する必要がゼロ。「ダニランプ」とか妙なものは一切なくって、できるだけ使う側の手間を減らそうっていう意図を感じる製品ばかり。
対して日本の家電ってなんやかんや機能はついているけど、「こまめなお手入れ前提」なんですよね。
で、それって誰がやるの?っていうのは明言されていないけれど、やはりリフォーム店の社長が言っていたように「主婦」をメインに想定して作られているのではないでしょうか?
ジェンダーレスって叫ぶのは結構だけれど、職場の性差だの言葉遣いだの言う前に、こういう「日常の大前提」の意識を変えていかないと、本当にジェンダーレスにはならないと思います。
みんなどこかでこういう意識があるから、大手家電メーカーも「主婦のこまめなお手入れ」前提の商品ばっかり作っちゃうわけでしょ?
女性も働くのが当たり前になって、家事に割ける時間が少なくなっているのだから「お手入れのしやすさ」じゃなくて「手入れなんかいらねぇ」っていう視点でモノづくりをしてほしいなって思います。あ、わたしは忙しくなくても掃除はしないんだけど。
日本人はキレイ好きだし、ニーズもあるのかもしれませんが、元来人間ってズボラな生き物だと思うから、やっぱりラクに使えるほうに需要が流れると思うんですよね。
田植えが面倒だから耕運機ができて、歩くの大変だから車ができて、板で刷るのが大変だから印刷機ができているわけで。進化の歴史は便利の歴史なんだよなぁ。
これだけ世の中便利になっているのに、なぜか女性が担いがちな、いわゆる「主婦仕事」だけあんまり減らす気がないような気がしてなりません。
掃除がしやすい掃除機がほしいんじゃなくて、掃除をしなくていい掃除機がほしいわけ。
まずは、そういうことを言うと肩身が狭いこの空気感からなんとかしてほしいなぁと思うきょうこのごろです。
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